『社会人基礎力』とは?

『社会人基礎力』とは、"職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力"として、経済産業省が2006年から提唱しているもの。今回の調査で設けられている4つの能力とは少し異なるが、より簡潔かつ具体的に、3つの能力・12の能力要素で構成している。

■前に踏み出す力(アクション)
〜 一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力 〜

・主体性…物事に進んで取り組む力
・働きかけ力…他人に働きかけ巻き込む力
・実行力…目的を設定し確実に行動する力

■考え抜く力(シンキング)
〜 疑問を持ち、考え抜く力 〜

・課題発見力…現状を分析し目的や課題を明らかにする力
・計画力…課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
・創造力…新しい課題を生み出す力

■チームで働く力(チームワーク)
〜 多様な人々とともに、目標に向けて努力する力 〜

・発信力…自分の意見をわかりやすく伝える力
・傾聴力…相手の意見を丁寧に聴く力
・柔軟性…意見の違いや立場の違いを理解する力
・情報把握力…自分と周囲の人部や物事との関係性を理解する力
・規律性…社会のルールや人との約束を守る力
・ストレスコントロール力…ストレスの発生源に対応する力

今の時代には、基礎学力や専門知識に加えて、それらをうまく活用していくための『社会人基礎力』を意識的に育成していくことが重要なのだそう。

だがこれ、見てみると、すべて幼稚園か小学生くらいになればある程度身につけることができそうなことばかりだ。

 

集団遊びでコミュニケーションが上手くなる

調査に戻って。
先ほどと同じ「コミュニケーション力」「主体性」「忍耐力」「チャレンジ精神」4つの能力について、「集団で遊ぶことが好きだったかどうか」について集計したのがこちら。

「集団で遊ぶことが好きだった」と答えた人(青色)ほどこれらの能力に自信を持っていて、先ほどの遊び時間に関する集計結果よりも更に1割ほどその傾向が強くなっている。

確かに、集団で遊ぶときは、仲間とのコミュニケーションが必要なのはもちろん、協調性や思いやり、自分の感情のコントロールなどを自然に学ぶことになる。

たとえ幼少期によく遊んでいたいた人でも、一人でもくもくとゲームをしているだけではこれらのことは学べない。「考え抜く力(シンキング)〜 疑問を持ち、考え抜く力 〜」は磨けるかもしれないが。

時には喧嘩をしながらも仲間と遊ぶことで、子どもたちは少しずつ「チームで働く力 〜多様な人々とともに、目標に向けて努力する力〜」「前に踏み出す力(アクション)
〜 一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力 〜」を身につけているのかもしれない。