よく遊ぶ子ほど将来の社会生活が充実
社会人としての能力だけでなく、自分の自身の現状に対する満足度についても「遊び」との関連があるようだ。
「長所も短所も含めて自分のことが好きである」「いまの生活は充実していると思う」という2つの質問についても、「よく遊んでいた」人の方が「そう思う」と考えている割合が多い。
先の結果から、遊ぶことで身に付くと考えられる「コミュニケーション力」「主体性」「忍耐力」「チャレンジ精神」。職種によってはあまり重用視されない事もあるかもしれないが、これらはビジネスシーンに限らず大切な力。
よく遊んでいた人ほど自分の現状に満足しているということは、この4つの力がこの社会の中で"理想の自分"を築いていくのには役に立つということなのだろう。
一時皮肉って(妬んで?)言われていた"リア充" "勝ち組"になれるかどうかは、幼少期の「集団での遊び」が鍵になるのかもしれない。
子どもが群れて遊ばないのは異常現象?
———「歴史上はじめて子ども同士が自然に群れて遊ばなくなった。それが異常現象であることに多くの大人は気がついていない。」———
この調査に対する、明星大学教育学部教授の星山麻木先生のコメントだ。確かに、長い人類の歴史を考えてみると、異常。結構ヤバい事態なのかも。
———「良識ある大人は、子どもの遊び環境をどうしても再生しなければならない。町、学校、地域、空き地や原っぱやビルの隙間。子どもの豊かな遊びの環境を準備し、走り回る子どもの姿と歓声をもう一度聞かなければならない。」———
実はこの調査、よく見てみると、サンプル数930人のうち、「よく遊んでいた」(546)、「時々遊んでいた」(301)、「遊ばなかった」(83)。「よく遊んでいた」がダントツで多い。これにはホッとするが、「遊ばなかった」という、いわゆるガリ勉だった子どもが1割と、意外に多い。
このサンプルから20年後の世代である今の子どもたちは、どうなのだろうか?
先にも書いたが、経済産業省は『社会人基礎力』とは「基礎学力や専門知識に加えて必要なもの」としている。
当たり前だが、遊んでばかりで勉強をしないと、それはそれで将来困った事になるかもしれない。逆に小さい頃にがんばって毎日塾に通って勉強したガリ勉も、将来社会人になってハッピーな生活を遅れないのは悲しいものだ。何事もバランスバランス。
子どもたちよ、よく遊べ! 但し宿題を終わらせてから!
【調査概要】
「小学校低学年の時期における 遊び体験と自身の社会人としての能力(以下社会人能力)や生活満足度に関する意識」
実施:株式会社ボーネルンド
方法:インターネット調査
地域:全国
対象:民間企業に勤める社会人(正社員)歴 2〜4 年目の男女
有効回答数:合計930サンプル(社会人歴年数ごとに12 年目、23 年目、34 年目の 3 つの群に分け、それぞれ男女半数ずつ 310 サンプルの回答を得た)
時期:2014年4月上旬