事故物件になったらさらに大変
万が一、室内でお亡くなりになって事故物件となった場合には、家主側から損害賠償請求をされる可能性もあります。当然、原状回復費用も請求されますね。
この「事故物件」の定義は色々あるのですが簡単にお伝えすると、
・病気で亡くなった場合には事故物件にはならない
・自殺、事件等で亡くなった場合には事故物件になる
・病死であってもご遺体が腐敗して特殊清掃が必要になった場合には事故物件になる
つまり、普通に病気で亡くなっても、すぐに見つけてあげられたら事故物件にはならない ということです。
ところが、一人暮らしの方が賃貸物件に住んで家族と交流がないという場合には、何かあったとしても早期に見つけてもらいにくいのが現状です。
若いときは欠勤が続くなどしたら職場の人が気にして、見に来てくれたかもしれません。
でも、お仕事もしなくなれば、個人的なつながりで誰かが訪問してくれない限り、室内での早期発見は難しいのです。
体調が思わしくなくて入院先等で亡くなった、もしくは外出中に事故に遭った、などの特別な要因がない限り、ほぼ事故物件になってしまいます。
相続してしまえばこのようなときの費用まで負担することになってしまうので、お亡くなりになったときの状況は必ず先に確認しましょうね。
そして相続するのか、放棄するのか、退去費用の問題もあるので賃貸物件の契約書も含めてよく調べてから決断することをお勧めします。
では、もし相続人の方が相続放棄をしてしまったら、家主側はどうしたらいいのでしょう?
第1順位の法定相続人が相続放棄してしまうと、次順位の相続人に権利が移っていきます。
でも、第1順位の相続人が放棄すれば、次順位以降の人はほぼ間違いなく放棄しますよね。
そうして相続人全員が放棄してしまうと誰もいなくなってしまうので、相続財産清算人の選任を申し立てて、やっと解約等の手続きたどり着く形になるのです。
当然、この間の家賃も回収できず、次の人に貸すこともできず、家主側は長期の時間と経済的損失を受けます。
高齢者に部屋を貸したくない……その大きな理由の1つが、この一連の大きな問題なのです。
あなた自身が賃貸物件に一人暮らしなら
自身が賃貸物件で亡くなった場合、長年交流していなくても、親族に連絡が行きます。
「亡くなってまで迷惑かけないで」と思われないように、ぜひ備えておきましょう。
まず検討していただきたいのが、次の2点です。
・事故物件にならないように見守り
・亡くなったときに解約と荷物の処分をしてもらう「死後事務委任契約」
そもそも一人暮らしの方にとっては、「見守りと言っても、いったい誰がアラート(警報)を受けてくれるの?」という問題があります。
だって離れていても頼れる家族がいて、毎日のように連絡を取り合っているのであれば事故物件になるまでには至りません。
まずアラートを受けてくれる人がいないから、誰かに見守ってもらうということがなかなか難しかったんです。
でも、最近は第三者機関がアラートを受けてくれるようなシステムや見守り器具も増えてきました。
一人住まいが多くなる中、独りで亡くなるのは仕方がありません。ぜひ見守りを積極的に利用して、ご自身がきれいなうちに見つけてもらいましょう!