団長:ホント毎年続けていくことができるようにしたいです。
元々優とも話してたんだけど、結局アーティスト主催のフェスじゃないと、なかなか我々のような奇抜な化粧な化粧をしたバンドっていうのは呼ばれにくい風潮があるというか。
本来の音楽性でいえば全然俺たちにもチャンスは巡ってくるはずなのに、どうしてもゼロ年代以降のヴィジュアル系シーンの色んな意味でのしがらみや衰退だったり…、一言でいうと「めんどくさい」んですよね。
そこまで面倒なリスクを背負ってヴィジュアル系バンドを呼ぶんだったら、他のジャンル呼ぶわっていう認識になっちゃうのもわかるんですよ。
ヴィジュアル系のバンドマンっていうのはそこに悲観的だったり閉鎖的だったりしてるように見えるので、誰かがまず突破口を開かないとって。
俺らの世代って、結構まだ誰も飛び抜けて売れてないというか、先輩の後に続いてると思われている世代なんで、先輩たちはボーダーレスなことをやっているけど、俺たちはどうしてもまだ抜けきれてない部分があって。俺がラジオだったりテレビだったり、色んな仕事をさせていただいた上で色んな人たちと出会って、人脈的なものも広がったことで、なにかイベントができるんじゃないかって、(優に)言われるまで気づかなかったんですけど。「やる価値はあるな」と思って。
優:このフライヤーみてると、普通にイベントとして成り立ってるもんね。
団長:無事開催できればいいんですけどね。俺たちがフェスや大規模なイベントに対応できないと思うなよっという反抗心も含みつつ、単純に面白いことをしたい気持ちが強くて。そんな純粋な気持ちで、大きなイベントをやればお客さんにも絶対伝わるだろうと。冠さんが裸で鎧着るのと、俺が白塗りするのとはたいして変わんないですよ!
本来の意味でのエンターテイメント、化粧や衣装の大切さ、みたいなものをうまく伝えられればなというか。
――BugLugはヴィジュアル系以外のイベントって出たことあります?
一聖:なかったですね。なのですごくいい機会でもありますし、チャレンジしたかったんで。俺もちょうど団長と優が話している真横で一番最初に「これは実現したら面白くなりそうだなあ」と思っていたので、団長からも呼びかけが来た時は「マジか!」とみんなで機材車の中で盛り上がりましたね。
優:あの時はワクワクしたよね。
――自信はありますか?
一聖:どうなんですかね。でも、俺たちは自分たちのやり方しか知らないっていうくらい不器用なバンドでもあると思うんで。自分たちの刺激にもなるだろうし、いい経験になるんじゃないかなって思ってますね。
優:そういう場所でやってみて初めて自分たちの武器がなんなのかも見えてくると思うし、ヴィジュアル系の中でやってきて武器だったと思っていたものが、実は武器じゃなかったりとかも気付けたりするのかなっていうワクワク感もあって。楽しみですね。
団長:今年girugamesh主催の「MONSTER BOX Vol.00」に出た時もNoGoDでサークルピットができて、そういう変な新しい発見もあるんじゃないかなって。
優:すげー! 怖ええ(笑)。
一聖:自然発生で「こっちからやってよ」っていうものにはあんまり魅力は感じなんですけど。曲が更にかっこよくなる要素をお客さんの方からもらえるという機会はいいなあって。ヴィジュアル系ってこういう言い方するのはアレですけど、ルールというか縛りというものが垣間見えてしまう時があるので、そういうものを打破するには最適なんじゃないかなあって。ファンにとっても、いい機会になるんじゃないかなと思います。
――お話を伺っていて、BugLugとNoGoDはとても仲がよさそうですが、付き合いは長いのですか?
団長:Shinnoさんと優はねえ、付き合い長いっすよね。当時はみんな別のバンドだったけど。
Shinno:ちょうど10年くらいですかね。
優:お互い前にやっていたバンドでツアーに出ていて一緒になったんだよね。
Shinno:優くんのことは悪い言い方をすると、あんまり練習が好きじゃないのにどんどん上手くなっていったというか、当時から発想がすごいなって思っていて。コツコツ努力して一つ一つ積み上げていくというよりは、天才タイプのギタリストなんだなって印象が強くて。
優:えっ、うれしい(笑)。
Shinno:そこがすごいなって。それに、よく街で会うことも多いよね。何故か。
優:フラッと会ったりしますよね。
団長:なにそれ(笑)。
Shinno:ホントに偶然会うことが多いんですよ。家も全然近くないのに。「あれ…見たことある人がいる」ってなる。それはともかく、本当に良いギターを弾く人だなあってずっと思っています。新しくBugLugを始めた時も、前のバンドから弦楽器隊が変わってない状態で、ふたりしてやってることが変わったんで、バンド変わると変化ってあるんだな、と見てて面白いなって思っています。