団長:そ、そうだね…それは良くないよね…。
でもね、俺は去年くらいからあんまり「ヴィジュアル系」って言葉を使わないようにしてるんですよ。
どうも「ヴィジュアル系」という言葉が死語というか、差別用語というか、なんなんだろうなあ、「もういいかな」っていう気もするんだよね。こないだTwitterにも書いちゃったんだけど、元々ヴィジュアル系って呼ばれるのがXの「PSYCHEDELIC VIOLENCE CRIME OF VISUAL SHOCK」だとするじゃない。
あの人たちにとっての「ヴィジュアル系」はジャンルにとらわれないオルタナティヴな精神で音楽をすることだったと思うんですよ。俺にとっては海外で言う「オルタナティヴ」が日本の「ヴィジュアル系」という認識だったんです。
でももう今のヴィジュアル系にはオルタナティヴっていう精神はないのかなって。「憧れてた先輩の真似をしてステージに立つ」=「ヴィジュアル系」というか。そんな風に「ヴィジュアル系」の意味が変わってしまったのであれば、その言葉は使いたくないなと思っちゃって。
だから「化粧をしているジャンル」っていうか…いう風に言いたい。あの言葉は便利なんですけど、何を指してるのがわかんなくなっちゃって。勿論自分たちもヴィジュアル系と言われることを否定しないし、それでいいと思うんですけど、ただ、「ヴィジュアル系」って言っちゃうと、それ以外のお化粧バンドも同じ扱いにあつかわれるのが嫌だなって思っちゃうし。本当はいい言葉なんですよ、でも化粧や衣装でジャンルをくくっていくのは、今となってはあまりにも違うんじゃないかなと思って。
優:この界隈って、音楽に関しては特にジャンルレスだと思うしね。激しいバンドもいれば、ポップなバンドもいてね。
団長:だからこそもう別に化粧してようがしてまいが音楽で話すればいいんじゃない?ウチだったらメタル・ハードロックで、BugLugだったらオルタナティヴロックだと思うし…。
昔は自分たちのバンド=ジャンルだったと思うんだけど、たとえばDIR EN GREYやPIERROTだって、バンドがジャンルみたいなものだったじゃない? 今はみんな自分たちのバンドをジャンルにするんじゃなくて、「ヴィジュアル系」という枠に収まろうとしてるから。
だったら俺はもうその言葉は無い方がいいんじゃないかな。そしたらみんなもっと違うことに目標をおけるじゃないですか。「ヴィジュアル系」になりたいんじゃなくて。目標が多様化するんじゃないかなって。
優:良いこというね、団長は。
団長:BugLugもBugLugというジャンルになりつつあるなってライブ見てて思ったので。誰かっぽいっていうのは無いじゃん。そうなった時点で「勝ち」かなって。
優:この上ないビッグマウスだね(笑)。このイベントを成功させたら、それは叶うんじゃないかな。日本で一番のフェスにすればいいんじゃない。
団長:「キワモノたちの登竜門」みたいな。「BIG MOUTH ROCK FESTIVAL」か「non stylish wave」か! みたいな(笑)。