モンハンはスポーツみたいなもの!?

 

小嶋:『無印』でゲームの土台はしっかりと作れましたね。粗いんですが、基礎工事はしっかり作れたかと。

――モンハンは『無印』からゲーム性を大きく変えることなく、現在まで続いています。それでいてユーザーを飽きさせないというのはすごいことですよね。

藤岡:モンハンはその発想やゲーム性自体がプレーンなので、打たれ強いのかなと思いますね。『無印』で形成した土台も、決してカチカチなものではない。それを失うことなく、いろいろな形のものが作れて、表面的なルールであれば、結構変化させても成り立ってしまうんです。

辻本:スポーツみたいなものかもしれません。ただ、たとえばサッカーのルールは変更できませんが、モンハンは微妙に変えていくことができます。それが大きいですよね。

藤岡:大層な言い方になってしまいますが、ひとつの「ジャンル」になれたのかなと。ハンティングアクションというジャンルと呼ばれるもののひな形を誕生させられたのは大きかったですね。

小嶋:ゲーム性もそうですが、モンハンは自分がシリアスだと思えばシリアスだし、ギャグだと思えばギャグになるんです。プレイスタイルもワイワイ楽しんでもいいし、ガチでもいい。そういう幅の広さが10年受け入れられた理由かなと思います。

 

藤岡:モンハンって決め付けがないんです。一種のRPGでもあるし、キャラクターを演じながら遊ぶこともできる。よく世界観の話で、「この世界地図(の全体図)はあるのか」と聞かれるんですが、こっちでも作っていないんですよね。それは記号でしかなくて、地図がルールになるのが嫌なんですよ。発想が浮かべば浮かぶほど広がっていく世界地図であってほしいなと思いますね。

小嶋:採取専門ハンターでも釣り専門ハンターでもアリなんですよね(笑)。

藤岡:そういうのが通用する世界観を作れたのが一番よかったところだね。

――たしかに4人プレイで、一人がアイテム採集に励んでいても許されるゲームって他にあまりない気がします。そういう意味で初心者でも上級者と一緒に遊べるのは大きな魅力ですよね。

藤岡:それがモンハンの"ゆるさ"なんでしょうね。ファンタジーなんだけど、鉄砲みたいなものはあるし、魔法はないけど不思議アイテムみたいなのはある。モドリ玉とか、生命の粉塵とか。なんで粉塵で回復するんですかって言われても(笑)。

 

辻本:ぼくはモドリ玉は猫が地面からパッと出てきて、プレーヤーを地面に戻しているって言ってますよ。

――えっ、そうだったんですか?

藤岡:いやいや、今のは「辻本説」です(笑)。

小嶋:諸説ありますからね!

辻本:ひとつの見解ということで……学説はいろいろあります(笑)。