モンハンは「人を助けたい」という気持ちが働く
――話を戻しますが、多人数プレイなんだけど、ミスが許される雰囲気というか、優しい空気感がモンハンにはあるような気がしますね。
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小嶋:たとえば初心者がハンターランク上げや素材集めを手伝ってもらうっていうことがあるじゃないですか。そういうのができるのっていいですよね。自分がされて嬉しかったことって人にもしてあげたくなりますし。
辻本:人を助けたいっていう気持ちが働きますよね。
藤岡:モンハンって、皆で築いた空気みたいなものがシリーズ初期から脈々と受け継がれていて、ユーザー間で助け合う空気が自然とあるんです。ユーザーがまた良い人が多くて……モンハンのユーザーって本当に礼儀正しいんですよ。昔からそういう感じですね。
小嶋:『無印』のときも、クエストで部屋に入ったら「よろしくお願いします」、終わったら「ありがとうございます」と挨拶するのが当たり前で、それは自然にそうなっていたんです。それがすごいなって。
藤岡:モンハンって難しいじゃないですか。アクション的な難しさもあるけど、それ以外にも情報量が目に見えないから、何を目指したらいいかわからない、わかりにくいという面がある。目的を持って遊ばないと迷うし、それでやめていく人も多いんです。初期の頃はそういう人を失わないようにと、ユーザーさんがボランティア的に迷っている人を助ける活動をしてくれていたんですよ。
小嶋:ピエール瀧さんが初期の頃、ずっと初心者を助けてあげていたみたいですよ。ノラで初心者手伝いお好きでしたね(笑)。
藤岡:そうだったな~(笑)。
辻本:ネットが普及してない時代にモンハンが生まれたのは、ゲームとしてはパイが少なかったんだけど、環境としては良かったと思いますね。あれがもし今みたいにスマホでネットをサッとチェックできる環境だったら……。
藤岡:ユーザー同士で教え合うっていう文化はできなかったかもね。
小嶋:当時は博士みたいな詳しい人がいましたからね。次のクエストはこれだ! って(笑)。
辻本:もうキークエを貼って待ってくれてるんですよね(笑)。
藤岡:そういうユーザーが生み出した文化の根強さは、10年経っても感じるところですね。
思い入れのある作品は?
――次に、皆さんの思い入れのある作品を教えていただけますか。
辻本:ぼくは『モンスターハンターポータブル 2nd G』(以下、『MHP2ndG』)と「モンスターハンター4」(以下、『MH4』)ですね。
――それはなぜでしょう?
辻本:『MHP2ndG』は数字的にも伸びたし、何より製作期間が10ヶ月しかなかったタイトルなんですよ。
――10ヶ月ですか!?
辻本:10ヶ月っていってもチェック期間もありますから、実質的には半年くらいですね。半月くらいで仕様をぜんぶ決めて……あれは本気で地獄でしたね(笑)。