松井えり菜「すれ違いユートピア」2022年

この度、UESHIMA MUSEUM(https://ueshima-museum.com)では、ご好評をいただいておりますオープニング展におきまして、3Fフロアの展示作品を一部変更いたしましたので、お知らせいたします。

展示変更により、3Fフロアには、今津景の「Drawsiness」、「Mermaid Banda Sea」、近藤亜樹の「いたいのいたいのとんでいけ」の3作品に替わり、以下の5作品を新たに展示しております。

**新規展示作品**
・ 松井えり菜「すれ違いユートピア」2022年
・ 長井朋子「子ねこだよ」2021年
・ 長井朋子「お姫さまの部屋」2021年
・ 近藤亜樹「Hello, my friend」2022年
・ 佐藤 翠「Rose Garden Closet」2022年

当美術館では、「同時代性」をテーマに国内外の幅広いアーティストの現代アート作品のコレクションを行うUESHIMA COLLECTIONの700点を超える作品の中から、様々なテーマに沿って選び抜いた作品がご覧いただけます。開館以来、国内外の多くのメディアやSNSでも紹介され、注目を集めております。
実施中のオープニング展~現代アートで未来とつながる新たな視点~は、ご好評につき、2025年3月末まで会期を延長し、開催しております。
是非、渋谷駅徒歩10分に位置する当美術館にてご鑑賞下さい。


**オープニング展概要**
会期:   2024年6月1日~2025年3月末(当初会期:~2024年12月末)
会場:   UESHIMA MUSEUM(東京都渋谷区渋谷一丁目21番18号 渋谷教育学園 植島タワー)
フロアマップ:     https://ueshima-museum.com/document/floormap.pdf
入館料(税込):    一般 1,500円、中高生 1,000円、小学生以下 無料
開催時間:       11:00-17:00 (最終入場16:00)
日時指定チケット購入: https://ueshima-museum.com/#area-3
休館日:         月曜(月曜が祝日の場合は開館、翌平日休館)


**UESHIMA MUSEUMについて**
UESHIMA MUSEUMは、UESHIMA MUSEUM COLLECTIONのオーナーである植島幹九郎の母校でもあり、「自調自考」を基本目標に国際的な視野や高い倫理観を重視した教育を行う事で高い評価を受けている、渋谷教育学園の敷地内に位置します。また、当美術館の建物は、1988年に設立され、翌年9月に当時の英国首相であった故マーガレット・サッチャー氏同席のもと開校式の行われたブリティッシュ・スクール・イン・東京が2023年8月まで利用していた建物を「渋谷教育学園 植島タワー」としてリノベーションの上、開館致しました。

住所: 東京都渋谷区渋谷一丁目21番18号 
渋谷教育学園 植島タワー
館長: 植島幹九郎
副館長: 不破鉄二
アドバイザー: 神谷幸江、山峰潤也


**オープニング展**
本展では、コレクションの多様性を紹介すべく階ごとに異なる視点で展示構成を行っております。国や地域、そして時代を越えたアーティストたちの多彩な表現と、その個々の背後にあるそれぞれの物語へと想像を巡らしていただければ幸いです。

<<B1F>>  絵画における抽象―その開拓精神
絵画における抽象と表現への探究心をテーマとしたこのフロアには、異なる世代のアーティストが混在しながらも、世代を超えたアーティストたちの開拓精神を見ることができます。絵画が時代遅れとされつつあった1970年代に、平な表面、四角いキャンパスといった厳しい制限の中でも、絵画は新しい世界を提示できる言ったベルナール・フリズや、前衛芸術を牽引したデュッセルドルフ芸術アカデミーで学び、絵画の概念を覆す試みを重ねていったカタリーナ・グロッセ、日本を離れスペイン、ドイツなどで東洋と西洋の異なる精神性を横断しながら絵画や彫刻を通して表現を重ねてきたイケムラ・レイコ。またその一方では、1986年生まれでターナー賞を受賞したオスカー・ムリーリョのほか、ジャデ・ファドジェティミ、ミシェック・マザンヴ、ローレン・クインといったアーティストたちが並びます。異なる世代の表現が、時代を超えて呼応する姿をご覧ください。



1: ゲルハルト・リヒター「Abstrakte Skizze (Abstract Sketch)」1991年
2: ジャデ・ファドジュティミ「(タイトル未定)」2024年
3: ジャデ・ファドジュティミ「A Patchwork Trail」2022年
4: カタリーナ・グロッセ「無題」2022年
5: カタリーナ・グロッセ「o.T.」 2013年
6: ミシェック・マザンヴ「The Power of Running Away」2022年
7: オスカー・ムリーリョ「Manifestation」2020-2022年
8: ローレン・クイン「Hammerhead」2023年
9: ローレン・クイン「Third Belly」2021-2022年
10: イケムラ・レイコ「Lightscape」 2022年
11: ベルナール・フリズ「Coam」2002年
12: アニー・モリス「Stack 7, Ultramarine Blue」2018年

<<1F/2F>> 同時代の表現、個の表現世界
象徴的な名和晃平作品の先に、タジマミカ、岡崎乾二郎と、アーティストごとに区切られていた1Fから、階段に続く杉本博司作品。その先の2Fにはインターナショナルなアーティストたちのそれぞれの世界観が広がる部屋が続いていきます。アイロニカルな視点で日常世界を読み返すライアン・ガンダー、現代社会を生きる女性のしなやかさを体現したトレイシー・エミンやルイス・ブルジョア、マイノリティとコミュニティの課題と向きあうことから制作を重ねてきたシアスター・ゲイツ、ミニマルアートを代表するダン・フレヴィンのほか、池田亮司にオラファー・エリアソン、塩田千春、タジマミカ、チームラボ、村上隆などが並びます。そして中央の部屋では、ドイツ現代写真を代表するアンドレアス・グルスキーとトーマス・ルフが対比的に展示されています。メディアや表現手法、国や地域を越えながら交差する現代の表現をお楽しみください。























1F
1: 名和晃平「PixCell- Deer #40」2015年
2: ライアン・ガンダー「Sowing confusion amongst the titles, or The squatters (Tiger meet Hiller’s Lucidity & Intuition: Homage to Gertrude Stein (2011))」2020年
3: ミカ・タジマ「You Be My Body For Me (Unit 3)」2020年
4: ミカ・タジマ「Art d'Ameublement (Rutschey Yogansena)」2022年
5: ミカ・タジマ「Negative Entropy (Stripe International Inc., Legal Department, Black and White, Hex)」2021年
6: 岡崎乾二郎 「Encontro das aguas / Scooping water from a stream」2020年
7: 岡崎乾二郎「月花(Ipomoed alba) / No idea why I was going there / あるいは空中の郷子果」
「あお空の奥か(le bleu du ciel) / Seen with an ideal, Out the window / きたいの中に溶ける魚」
 2022年
8: 岡崎乾二郎「wšnt Im'š'Im bbty šnt km h kkb m ‘I」2024年
9: 岡崎乾二郎「幕屋をおおう新しき苔と蔓草。いにしえの歌舞場のいしずえ。漁村をかこむ鬱蒼。具と斉と秦の時代薫るスウプ。魚や龍や馬のオモチャ。まばゆい光は今は消え、ひびきは耳にのこる。魂は石にうもれ、骨は遠なかにまぎれ」2024年
10: 杉本博司「Colors of Shadow C1017」2006年

2F
1: ライアン・ガンダー「By physical or cognitive means (Broken Window Theory 13 May)」2019-2020年
2: ライアン・ガンダー「On slow Obliteration, or How are you still hungry」2019年
3: ピエール・ユイグ「Idiom」2024年
4: オラファー・エリアソン「Eye see you」2006年
5: 池田亮司「data.scan [n°1b-9b]」2011 / 2022年
6: ゲルハルト・リヒター「4. 3. 89」1989年
7: ゲルハルト・リヒター「21. Feb. 01」2001年
8: アンドレアス・グルスキー「Bangkok IX」2011年
9: ゲルハルト・リヒター「untitled (3.11.89)」1989年
10: トーマス・ルフ「Substrat 7 III」2002年
11: トーマス・ルフ「neg◊bal_01」2014年
12: teamLab「Matter is Void - Fire」2022年
13: 名和晃平「PixCell-Sharpe's grysbok」2023年
14: 塩田千春「State of Being (Skull)」2015年
15: 塩田千春「State of Being (Two Chairs)」2012年
16: 塩田千春「上海での隔離」 2021年
17: 塩田千春「上海での隔離」 2021年
18: 塩田千春「上海での隔離」 2021年
19: 塩田千春「Cel」2021年
20: 村上 隆「無題」2016年
21: 村上 隆 x ヴァージル・アブロー「Bernini DOB: Carmine Pink and Black」2018年
22: 村上 隆 x ヴァージル・アブロー「Our Spot 1」2018年
23: ルイーズ・ブルジョワ x トレイシー・エミン「Just Hanging (no.11 of 16, from the series, Do Not Abandon Me)」2009-2010年
24: トレイシー・エミン「Itʼs what Iʼd like to be」1999年
25: ルイーズ・ブルジョワ「無題」1968年
26: ダン・フレイヴィン「untitled(for Ad Reinhardt)1b」1990年
27: ミカ・タジマ「Anima 47」2023年
28: シアスター・ゲーツ「Slaves, Ex Slaves」2021年
29: シアスター・ゲーツ「Walking on Afroturf」2012年
30: シアスター・ゲーツ「Night Stand for Soul Sister」2013年
31: 杉本博司「Prospect Park Theater」1977年

<<3F>> 女性画家のまなざし
近い場所、同じ時代に生きていてもその人が見ている風景とそこから描き出される心象は異なる。このフロアでは世代の近い日本人女性作家の絵画が展示されています。昭和から平成と、ある種の成熟した社会の中で、それゆえの不安定さや迷い揺らぎを持った時代と言えるでしょう。その中で、それぞれのアーティストは異なる眼差しを持ってその時々を捉えていきました。訪れた土地での出来事や経験を重ね合わせていく津上みゆき、デジタル環境に囲まれた現代社会と作家の日常が交差する今津景、人の内面に流れるエネルギーとそれぞれの幸福を思い起こさせる近藤亜樹、日常の記憶が重なりながら生み出された原風景を思わせる工藤麻紀子。作品と個人との距離、それは作家一人ひとりによって大きく異なりますが、そこには作家の日々の生活や取り囲む環境、そして幼少期の原風景などが混ざり合いながら現れていきます。そして、絵画に残るその筆致の先には、作品を描き続けてきた作家の姿が浮かんできます。







1: 松井えり菜「すれ違いユートピア」2022年
2: 長井朋子「子ねこだよ」2021年
3: 長井朋子「お姫さまの部屋」2021年
4: 今井 麗「KOALA 6」 2020年
5: 今井 麗「ギャザリング」 2017年
6: 近藤亜樹「Hello, my friend」2022年
7: 佐藤 翠「Rose Garden Closet」2022年
8: 津上みゆき「View, Flowing, Evening, 8 Feb 2019/2022」2022年
9: 工藤麻紀子「あの時 1 人でたのしかった」2022年
10: 杉本博司「Manatee」1994年


<<4F>> 変わるもの、消えゆくもの
部屋の中を飛び交う飛行機、小さな部屋から世界の広がりを思う憧憬のまなざしとその夢の儚さを思わせるさわひらきの《home/home (Absence)》から始まるこの部屋は、変化や揺らぎ、そして時の重なりの中で消えゆくものの美しさに焦点を当てています。ナフタリンで作られた宮永愛子の作品は化学変化によって形をかえ、次第に具象的なモチーフから揮発し、結晶へと変化していきます。一方、三嶋りつ恵のガラス作品は、高温の中で流体となったガラスの不定形の様態を捉え固定化し、ガラスの保存装置としての役割を使ってガラス自体の時を留めているようでもあります。また、次々とカウントを変えながら明滅を繰り返していくLEDカウンターによる宮島達男の作品は0(ゼロ)だけがブラックアウトし、終わりと始まりや魂の輪廻などを想起させます。ここでは 光や形体、その素材などの関係性から生まれる表現の世界を垣間見ることができます。





1: さわひらき 「/home, /home (absence)」2021年
2: 毛利悠子「Decomposition」2024年
3: 宮永愛子「くぼみに眠るそら- 寝虎-」2022年
4: 三嶋りつ惠「VENERE」2023年
5: 三嶋りつ惠「FENICE」2023年
6: 宮島達男「Counter Fragile No.4」2004年
7: 宮島達男「Vertical in Green」2021年
8: 杉本博司「Einstein Tower」2000年

<<5F>> 松本陽子の絵画
このフロアでは、油画中心の日本の抽象表現の時代の中で、アクリル絵具を用いた絵画を探究してきた松本陽子の大型作品を展示しています。1960年代にニューヨークで出会った抽象表現主義や水墨画などの墨絵の技法に影響を受けてきた松本は、形に色が従うのではなく、むしろ色が形を導き出していくことに目を向けてきました。激しいエネルギーと自由な身体性から描き出す絵画は、光や陰影、色相を丁寧に重ねながら、不透明性と透明性を兼ね備えた多層的な空間を平面上作り上げていきます。事前の計算や下絵を避け、自由と直感を解放し、身体の中に蓄積された経験が導く動きから、さまざま輪郭と色調を生み出してきました。近年では、ロンドンでの展示をひとつのきっかけに世界的な評価が高まっています。それは松本だけでなく、日本の女性作家が世界で評価されていく時代的潮流の兆しを予感させます。



1: 松本陽子「振動する風景的画面」2017年
2: 松本陽子「熱帯」2021年
3: 松本陽子「The Day I Saw the Evening Star」2023年
4: 松本陽子「生成と解体」1995年
5: 松本陽子「光は闇のなかに輝いている」1992年
6: 松本陽子「生命体について」2010年
7: 杉本博司「Palais Garnier, Paris」2019年


(Between 5F-6F)



8: 杉本博司「Bay of Sagami, Atami 」1998年
9: 名和晃平「PixCell - Mandarin Duck」2018年


**UESHIMA COLLECTIONについて**
UESHIMA COLLECTIONは、事業家・投資家として多彩な顔を持つ植島幹九郎が現代美術コレクションとして2022年2月に設立し、本格的な収集活動を開始しました。
常に「同時代性」に対して俊敏に反応し、少し先の未来をいち早く具象化し、より良い社会に向けて積極的に還元していくという過程は、ビジネスにもアートにも普遍であるという考え方に基づき、当コレクションでは、主に「同時代性」を強く感じさせる作家、先進的な創造活動を行う若手作家等にフォーカスしたコレクション形成を進めています。

**植島幹九郎について**
UESHIMA COLLECTION創設者。1979年千葉県生まれ。1998年渋谷教育学園幕張高等学校卒業、東京大学理科一類入学。東京大学工学部在学中に株式会社ドリームキャリアを起業し、現在では事業家・投資家として多角的にビジネスを展開する傍ら、国内外のオークションハウスやギャラリーを渉猟。国内外一流作家から国内若手作家に至るまで幅広く、現代アート作品のコレクションを続けています。2024年、US版Artnews Top 200 collectors(その年に最もアクティブだった世界のスーパー・アートコレクター200人を紹介する特集)に選出されました。

**お問い合わせ先**
UESHIMA MUSEUM事務局  info@ueshima-museum.com

                                            以上






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