「孤独に生きる」を避けるコミュニケーションのコツとは?

一人で生きる決断をしている人の中には、他人との心の深い交流を避けている人も少なくありません。人間関係は確かに煩わしいことも多いですが、孤独は心身の健康に悪影響を及ぼします。一方、人との心の繋がりを実感できていると、いざというときに頼りにできるだけでなく、充実感や幸福感が増します。

ここからは、孤独に生きるのを防ぐために、周囲や身近な人たちとの心の繋がりを強くするコミュニケーションのコツについてお伝えします。

自己開示する

他人とのコミュニケーションにストレスや疲れを感じ、避けてしまう傾向にある人は、「人にどう思われるか」を気にしすぎて、本来の自分を必要以上に隠してしまっていることが多いようです。ですが、自分から心を開かずに他人と打ち解けるのは難しいでしょう。

他人と良い関係性を築いている人は、よく『自己開示』をしています。『自己開示』とは、ありのままの自分の情報や気持ちを相手にさらけ出す、打ち明けることです。

特に、苦手なことやダメな部分、失敗話などは、心の距離がぐんと近づきます。「この人にもこんな一面があったんだ」「自分と同じような思いを抱いているんだな」と思ってもらえて、親近感と安心感が増すのです。すると、相手も本当の自分を見せてくれるようになり、コミュニケーションが楽になります。

身近な周囲の人たちに自分のことをよく知っておいてもらえると、いざ異常事態が起こったような時も、気にかけてもらえます。

「話を聞く」を大切に

コミュニケーションが苦手と感じる人ほど、「何を話せばいいか」に集中しがちです。おもしろい話をしなければ、役立つ話をしなければ…と思えば思うほど、精神的に疲弊し、会話はぎこちないものになります。

人は、“自分の話に興味を持って熱心に聞いてくれる人”に好感を抱きます。他人とのコミュニケーションは、自分が話すことより、『話を聞く』ことを大切にしましょう。

相手が話している最中にスマホやパソコンをいじる『ながら聞き』は嫌われる行為です。また、相手が話している途中で「そういえば私も~」などと割り込んで話す『会話泥棒』も嫌われます。

話を聞くのが上手な人は、相手の顔を見てバリエーション豊かに相槌をうち、表情や言葉で共感を示します。

相槌の際は、相手の言葉をそのまま繰り返す『オウム返し』(心理学用語では『バックトラック』と言います)をすると、話を熱心に聞いてもらっている感覚が増します。

物事に対する見方を増やす

物事に対する見方が1つしかないと、他人の言動に嫌悪感や拒絶感を抱くことが多くなります。

物事には、必ず2つ以上の見方があります。物事を見る枠組み(フレーム)を変えて、新しい視点を与えることを、心理学の技術で『リフレーミング』と言います。

(例)

「大雑把でだらしない」→「おおらかで細かいことは気にしない」

「言うことがコロコロ変わる」→「柔軟性がある」

リフレーミングができるようになると、今までだったら「嫌な人だな」「許せない」と思っていた人も受け入れられるようになり、人間関係の幅が広がります。人間関係でストレスを抱えやすいと感じている方は、ぜひ専用の『リフレーミングノート』を作って、物事の見方を増やすことにチャレンジしてみてください。

***

孤独な人生になるかどうかは、築いてきた人間関係で大きく変わります。あなたの周りには、信頼できる人や心の拠り所となる存在はいますか?もし見当たらない場合は、今回ご紹介したコミュニケーション術を活用して、新たな繋がりを築いてみてください。

【参考】『マンガでわかる孤独死対策 ひとりぼっ死の後始末』(家の光協会)

3万人を超える人の悩みを解決するコーチ&カウンセラーとして活躍。 2010年、その経験を活かしてコミュニケーション心理スキルを紹介する、コミュニケーションライターとして独立。一般社団法人日本聴き方協会認定シニアインストラクター・認定シニアカウンセラー。 [ブログ]