人間に嫌われる虫の代表格であるゴキブリ。
脂ぎってテラテラした体表、素早い動き、並外れた生命力…。どこを取っても憎たらしく気味が悪い彼らですが、具体的にどのように進化していけば人間と共存していけるのでしょうか?
ゴキブリの100年後を真剣に考えてみました。
さて、ゴキブリの改善点を洗い出すためにまず「虫が人間に嫌われる条件」としてぜひとも進化の過程で避けたい5つのものをここに仮定しましょう。
嫌われる条件1
ムカデやゲジゲジなどが該当します。
虫が人間に好かれようとする場合、足が多いのは致命的です。ゴキブリの足は6本ですが、くれぐれもこれ以上増やさないで行きたいところです。
嫌われる条件2
速い
ゴキブリがその代表となります。
動きが速すぎる虫は、だいたい人間に好かれていません。人間の制御下に置きにくいことが避けられる原因となります。
嫌われる条件3
クネクネする/ありえない形態をとる
ミミズなどが該当するでしょう。
多くの人間は、哺乳類の仕組みとあまりにもかけ離れた構造の生物をおぞましく感じるようです。
幸いにもゴキブリは、一般的な甲虫とかけ離れた体をしているわけではありません。
嫌われる条件4
飛ぶ
明らかにわざと顔に向かって飛んでくる小さい蛾などが該当します。
飛ぶ昆虫は目・鼻・口など、清潔に保ちたい重要な機関にいともカンタンに接近できてしまうがため、特に女性に忌み嫌われてしまいます。
嫌われる条件5
実害を及ぼす
最後の条件は「実害を及ぼす」こと。
刺されたら死ぬ危険性もあるハチ、農作物に被害を及ぼすバッタなどの害虫もこの範疇に入ります。
ゴキブリは、実害の面ではこれほどではないといえるでしょう。
それでは、この5つの条件が昆虫の「嫌われ度」にどれだけ相関しているかを何種類かの虫に当てはめて考えてみましょう。
ゴキブリ
「俊足」「飛行」の二条件は満たします。
「実害」の面では菌を媒介したり機器に入り込んで異常をきたしたりする程度で、それほどでもないため△とし、嫌われ指数2.5といったところです。
ハチ
「飛行」と「実害」のみの2条件を満たしています。
そのため嫌われているというよりは、「恐れられている」という印象です。
ミミズ
こちらはなんと「クネクネ」している、たった一つの要素だけであれだけ嫌われてしまっているようです。
実害を及ぼすどころか土を豊かにする益虫ですが嫌われ者。結局は見た目だというのは人間も虫も変わらないようです。
クモ
こちらは足が8本で微妙に「多足」が入り気味ですが、そのほかの要素はひとつも満たしていません。
ほかの害虫を捕食するため益虫という扱いのようです。
昔から「蜘蛛は殺すな」と言われるように忌み嫌われる存在ではありませんが、それはそれとして苦手な人は多いようです。
カブトムシ
国民的な愛され昆虫です。「飛行」の条件一つしか満たしていません。
また、他の虫たちに比べて家庭に出没し難いことも、嫌われにくい原因の1つとなっているかもしれません。
ムカデ
そして特筆すべきはこちらです。提言した5つの条件のうち、なんと4つも満たしています。
無数の足、クネクネしたおぞましい動き、そして瞬発力だけで十分に恐ろしいのに、さらに毒まで備えて、もうわざと嫌われようとしているとしか思えません。
ちなみに、ムカデの毒はタンパク質性のため43℃以上の火傷しない程度の熱いシャワーで洗い流すと無力化できるそうです。
以上、5つの条件と虫の実際の嫌われ度にある程度の関係性が認められるのではないでしょうか?
これをもとに、考えたくもないことですが「最も嫌われる虫」を逆に考え出すこともできます。