「褒めて伸ばす」は、多くの育児本やインターネットのサイトで推奨されていますが、「褒める」は本当に子どもにとって良いことなのでしょうか。
もともと子どもは親に褒められたい思う習性があるため、親に褒められれば子どものモチベーションは上がり、次も頑張ろうとなることから、子どもを伸ばすためには「たくさん褒めよう」となるわけですが、そんな中「褒めるのは好ましい行動ではない」という声もあがっています。
「勉強しなさい」といちいち言われなくても自ら勉強する子どもを思わず褒めたくなりますが、本来勉強とは親のため(親を喜ばせるため)にするものではなく自分のためにするもの。勉強をして得をするのは親ではなく子どもであり、勉強をしなくて損をするのは親ではなく子ども自身なのです。
つまり、子ども自身が得をすることを自らやるのは当たり前。それをいちいち褒めていては、いつまでたっても勉強をすることの本当の意味が分からないままとなってしまいます。
今回は和田秀樹氏の著書『アドラー流「自分から勉強する子」の親の言葉』を参考に、褒めずに本当に「できる子」になるための親の心がけについてお伝えします。
なぜ「褒める」ことは好ましくない?
アドラー心理学では「親子の関係性は平等であることが好ましい」とされていますが、「褒める」行為は平等な関係性を壊してしまっていると言われています。
なぜなら、「褒める」「褒められる」という行為そのものが上下関係に結びついてしまうからです。つまり、「褒める」行為が人を評価していることになることから、必然的に褒める親が立場的に子どもより上になってしまうということです。
子どもは親の支配下にはなく、対等な関係である以上お互いを評価してはいけません。親の評価を気にすることなく、自ら考えやりたいと思ったことをやって成功することが子どもにとっては一番なのです。
ですから、子どもに自ら勉強して欲しいと思うなら、当たり前のことをしたことに対して褒めるのではなく、「勉強するのは当たり前、勉強をして得をするのは自分自身」だということを教えていく必要があるということですね。