まだある! 出汁パワー
昆布やかつおぶしのうま味には、「唾液」を分泌する作用があります。唾液にはさまざまな働きがあり、消化を助けたり、口の中をキレイにしたり、ウィルスやカビの侵入を防いだり、虫歯を防いだり、地味ながらたくさんの役割を果たしています。よく噛んで食べようと言われるのは、唾液を多く出すためでもあります。
それから、昆布に含まれるグルタミン酸によって、食欲を抑えたりコントロールできる可能性があるかもしれない、とも。
また、以前「味覚障害」の記事でも触れたように、うま味を強めた食事は味覚を正常に保つのに有効なほか、脳を活性化する作用もあります。
出汁の魅力、なんとなく感じていただけたでしょうか?
では最後に、「分とく山」野崎洋光さん流、手軽に本格的な出汁がとれる方法をざっくりとご紹介しますので、ぜひ試してみてくださいね。
これで「すっきりとさわやかな出汁」がとれる!
[1] 切った昆布(8cm角くらい)と水1Lを鍋に入れ、弱火にかける。(所要時間:約10~15分)
[2] 昆布がプカプカ浮き上がってきたら昆布を取り出し、そのまま汁を沸騰させる。
[3] 鍋を火からおろして濡れぶきんの上に置き、水100ccを加え、かつおぶしひと握り分(約20g)をほぐしながら入れる。
[4] 水100ccを加え、2分くらいしたら静かに漉す。
途中で水を差すのは、温度を下げるため。やってみると案外簡単です。オススメはTVを見ながら、洗濯しながらの“ながら出汁とり”。
まずは一度、この方法で出汁をとってお味噌汁を作ってみてください。きっと幸せな気分になれますよ!
参考
・JA全中「よい食ニュースレター vol.5」
・NHK『クローズアップ現代』道は険しい?“減塩” 社会への挑戦
・社団法人 日本鰹節協会
・こんぶネット(日本昆布協会)
・『うま味パワーの活用便利帳』青春出版社
・『「分とく山」野崎洋光が説く 美味しい方程式』文化出版局