“幸せホルモン”も取れて口福に!?
自分で出汁をとると、なんといっても美味しさ、食べた後の満足感が違います。シンプルないつもの味噌汁がたちまち目も覚めるようなごちそうに変身。日々の悩みも吹き飛び、お口いっぱいの幸せ、俗に言う“口福感”で満たされます。
実際かつおぶしには、“幸せホルモン”とも呼ばれるセロトニンを増やす「トリプトファン」、セロトニンの合成に欠かせない「ビタミンB6」「ナイアシン」などが豊富に含まれるため、不眠症やウツウツとしがちな方にもオススメですよ。
それから、“出汁の健康・美容効果”もぜひ知っておきたいところです。
「出汁」を使うメリット
かつおぶしは低脂肪ながら良質なタンパク質やビタミン・ミネラルを豊富に含んでいます。また人間の体に欠かせない8種の必須アミノ酸もバランスもよく含むため、育ち盛りの子どもにもうってつけ。
昆布はといえば、さすが通称“よろコンブ”。ビタミンやカルシウム・鉄分などのミネラルほか、フコイダンやアルギン酸など体が喜ぶ成分がたっぷり。
そして煮干し。なにぶん魚ですから、タンパク質や鉄分、カルシウム、その吸収を助けるビタミンD、DHAなど栄養満点。
タンパク質は皮膚を作るもとになり、免疫力を高めてくれます。ビタミン・ミネラルは肌の若々しさを保ち、脂肪の燃焼をサポートしてくれます。出汁から出汁がらまでまるごと食べれば、健康や美容によい天然成分をたくさん摂れるのです。
「顆粒だし」は、塩分・糖分に注意
日本人は世界的に見ても塩分をとりすぎています。WHOによる食塩摂取の推奨量は1日5gほどなのですが、日本人の平均摂取量はそのおよそ2倍。その原因となっているのが、加工食品や調味料からの塩分摂取だとか。
ためしに、あるカップラーメンの栄養成分表示を見てみました。すると1食あたりの食塩量はなんと約5g。小さじ1杯分の塩が1食に盛られているわけで、これだけで1日分の食塩摂取量になります。
じつは、市販の顆粒だしにも塩分や糖分が多く含まれています。知らず知らずのうちに食塩を摂っているのです。
そこで天然出汁です。うま味を強くした料理は「食塩量を約30%減らしてもおいしく感じられる」という実験結果も。自分で出汁をとることで塩分を大幅に減らせるほか、甘みや脂肪分に頼らずとも、食べた後に大きな満足感が得られます。
ちなみに、東京大学大学院教授の佐々木敏氏によると、「血圧というものは大人になると、その後ほぼ直線的に上がっていく」そうです。高齢になって高血圧と判断されてから減塩対策をしたのでは遅い、とか。ぜひ今のうちから減塩を心がけたいものですね。