子どもとはいつまでも仲良くしていたいですよね。嫌われたくもありません。特に娘の場合、「将来は一緒にショッピングして、旅行して…幼い頃から友達のような関係でいたい」と思うママもいるようです。
果たして親子は友達でいられるのでしょうか?
『「テキトー母さん」流子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話しします。
友達関係でいたい人が多い。調査結果
文部科学省の調査です。
- 友達のような母親でいたい親…83.2%
- できるだけ子どもの自由を尊重する親…79.2%
これに反して「子どもを甘やかさない厳しい母親」は11.7パーセントに留まっています。
「子どもとは、何でも話し合える間柄になりたい」「友達のような親子でいたい」「子どもには嫌われたくない」という気持ちがあるのですね。これが原因で「叱れない親」が増えているのかもしれません。
特に母娘で起こりやすい友達親子
将来、娘とショッピングして、旅行して、ペアルックを着て…。そんな未来を夢見て、まだ子どもが幼いうちから対等でいようとする“友達親子”の関係を親子の間で築くことができるのでしょうか。
親子ほど年が離れた人間同士、実際親子なのですから友達関係ではいられないのです。
幼児期はママのことが大好きですから、子どもは友達よりも「ママといつも一緒でいたい」と思っています。でも、それは友達としてではないのです。
やがて、年齢が上がるにつれ、親の知らないところで友達関係を作り世界を広げていきます。
母娘カプセル
母親が“子どもが私の親友だ”という言葉の元で、我が子を自分の支配下に置いてコンロトールすることがあります。
ここで反発する子ならば良いのですが、親の気持ちが最優先になってしまい、自分のしたいことを抑え「ママを悲しませてはいけない。ママと一緒にいてやることが自分の存在価値」と子ども側もなってしまうことがあります。
これを母娘共依存関係、“母娘カプセル”と呼びます。
娘を支配し続ける“子離れできない親”により、次第に“親離れ出来ない娘”ができていきます。やがて、子どもが結婚し家を出ていくと、親側が孤独感にさいなまれる“空の巣症候群”に陥ってしまうこともあります。
親の下の名前で呼ばせるのは?
親の役割は人生の先輩として、そして親として、子どもがやってはならないことをしたときは、時には威厳やけじめをつけて厳しく叱らなくてはならないことが起こります。
これがなければ人として“良いことと悪いこと”を学んでいくことができません。実際、赤の他人はしつけてはくれません。
友達のような関係を築くため、「ママ、お母さん」ではなく「まゆみ」「ひろみ」など親の下の名前で呼んでいる子がいますが、あだ名で呼びあっている間柄だと子ども側は叱られたとき、すんなりとは親の注意を受け入れがたくなります。
なんでも隠し事なく話せることは時にはよいこともありますが、それは何も名前で呼び合わなくても可能なことだと感じます。
時代劇のように「母上、父上」と呼ばせる必要はありませんが、親を敬う気持ちがその呼称にも表れますので、あだ名で呼ぶのは避けたほうがよいと筆者は考えています。