昨今、テレビやネットで話題になるモンスターペアレント。そのクレーム内容を見ていると、「噓でしょ!?」と驚くものが多いですよね。

度を超えたお子さんへの気持ちが、このようなクレームとなるのでしょうか。

また、過剰な子どもへの愛情という意味では、「友達親子」という関係が登場しました。

これは、親子で同じ髪形やペアルックを楽しむといったもの。また、お母さんのことを下の名前で呼ぶお子さんもいます。つまり、親子にも関わらず、まるで友達のような関係なのです。

もちろん、親子は仲が良いにこしたことはありませんが、これらがいささか行き過ぎだと感じるのは、筆者だけではないでしょう。こうやって親子の関係ではなく、友達関係になってしまうことで、損失するものが少なからずあります。

例えばお子さんが同級生と喧嘩した時。親子の関係ならば、喧嘩をした双方の理由を聞いて、次、同じシーンになった時の解決法を教えるでしょう。

しかし、友達親子だと一方の意見(自身のお子さん)しか聞かないので、偏った情報になりますし、解決法として、「もう○○ちゃんとは遊ばないでおこう」など、稚拙なアドバイスをしてしまうことも。

上記はよっぽどひどい例ではありますが、信号無視をしたお子さんには「絶対にやってはいけないこと」と怒る必要がありますし、お店の中で大声を出したり走り回ったりした時は、まわりに迷惑がかかるからと、厳しく注意するべきです。

しかし、友達親子は子どものことを「友達」と見ているため、嫌われるようなことが言いにくく、微妙な気遣いをしてしまいます。その結果、それらを肯定するかのような態度をとってしまい、子どもたちは親から学ぶ機会を損失しているのです。

こうやって悪いことも肯定的に受け止めたり、また、子どもの頃から善悪を厳しく教えなければ、どうなってしまうのでしょう。

いまどきの子どもたちと、その親について、この方が語っています。芸歴46年で子役育成のプロダクションも設立し、普段から多くの子どもたちとふれ合っている坂上忍さんです。

よく「今どきの子どもたち」について、コメントを求められる坂上さんは、自著『スジ論』でこう語ります。

「全部が全部じゃないけれど、能動的に動ける子が極端に少ないようにおもいます。よく言われる指示待ちの子が非常に多い。言われたことはやる。反面、自分からできることを探さない。とはいえ、全員ではないんですけどね」

出典(『スジ論』坂上忍)

坂上さんの目にうつる最近の子どもたちは、指示待ちが多いとのこと。能動的に何かをさがして、また、作ったり、考えたりすることができないのです。

また、坂上さんは、「自力で“探せない”子が増えてしまった」とも指摘しています。これはどういうことでしょうか。