昨日まで元気だった親が、転倒や病気で入院し、そのまま生活に支障が出る。そんな「予告なし」の介護は珍しくありません。
40代・50代は、子育てや仕事が落ち着きかけた矢先に親の介護という新たな役割が加わりやすい世代です。
心の準備や制度の知識がないまま始まる介護は、精神的にも経済的にも大きな負担になります。
まずは「親の健康状態」を把握することが第一歩です。定期健診の結果や日常の様子をさりげなく確認し、介護が必要になったときの話し合いを少しずつ始めましょう。
介護サービスは「使いこなしてナンボ」
介護は「全てを自分一人で抱え込む」ことが一番のリスクです。私たちが住んでいる日本には介護保険制度があり、65歳以上なら原則として誰でも利用できます。
また、40〜64歳でも国が定めた16種類の疾病で介護や支援が必要と認められれば制度を利用できます。
利用するにはお住まいの市区町村へ「要介護認定」の申請を行い、認定が下りたらケアマネジャーと一緒にサービス計画を立てます。
デイサービス、訪問介護、ショートステイなど、サービスの組み合わせ次第で介護の負担は大きく変わります。
介護サービスの使い方を知っているかどうかで、心身の負担が大きく違います。
介護を長く続けるためには周りの力を借りることが大切。情報を集め、制度やサービスを「ためらわずに使う」ことが介護生活を守る一歩です。
お金の備えは「親と自分のW視点」で
介護費用は、在宅介護でも月5〜15万円ほど。施設入居となればさらに高額になります。
親が元気なうちに親の年金額、預貯金、加入している保険を確認しておくことが大切です。
子どもからは話しづらい話題ですが、「もしものとき、どこから費用を出すか」を共有しておけば、いざというとき慌てずに済みます。
一方、自分の家計への影響も無視できません。介護のために仕事をセーブすれば収入が減り、老後資金の準備が遅れる可能性もあるでしょう。
2025年4月に育児・介護休業法が改正され、事業主には「介護離職防止のための個別周知・意向確認等の措置」が義務付けられました。
働きながら介護を続けるための制度についてあらかじめ職場に確認を取り、もしもの時にすぐに活用できるようにしておきましょう。

























