ジャン=ミシェル・バスキアとともにSAMOとして活動したメンバーとして知られ、ニューヨークのアートシーンを象徴する作家、AL DIAZの個展を開催いたします。

Photo by: Quiet Lunch
2026年2月、ジャン=ミシェル・バスキアとともにSAMOとして活動したメンバーとして知られ、ニューヨークのアートシーンを象徴する作家、AL DIAZの個展を開催いたします。
本展では、AL DIAZのテキストを基盤とした表現を軸に、ストリートから現代美術へと拡張してきた約50年にわたる活動を背景に、言語・都市・社会への鋭い問いを投げかける作品群を紹介します。
開催概要
展覧会名:AL DIAZ Solo Exhibition
会期:2026年2月7~2月28日
会場:SH GALLERY
開場時間:12:00-19:00
休館日:日・月
入場料:無料

AL DIAZ. Photo courtesy of the artist.
samo@#* (Al Diaz, 2024) 20.5 x 25.5 cm, marker on canvas
AL DIAZ(アル・ディアス)について
AL DIAZは、1970年代ニューヨークのグラフィティ・シーンを切り拓いた第一世代のグラフィティ・アーティストであり、伝説的アーティスト、ジャン=ミシェル・バスキアとともに活動したグラフィティ・プロジェクト SAMO(C) の共同制作者として広く知られるアメリカのアーティストです。
AL DIAZは1971年、12歳のときに従兄であるギルベルト・“SIETE”・ディアスの影響を受け、急成長していたニューヨークのグラフィティ・カルチャーに触れました。SIETEが住んでいたワシントン・ハイツは当時グラフィティの重要拠点であり、AL DIAZはそこで、ニックネームと番号を組み合わせる伝統的なグラフィティのスタイルを学びます。爆発的な性格にちなんで、彼は「BOMB-1」という名でタグを書いていました。
その後、ロウアー・イースト・サイドに戻ったAL DIAZは、学校を抜け出してグラフィティに没頭するようになり、高校を離れてブルックリン・ハイツにあるオルタナティブスクール「City-As-School」に通うことになります。この時期、共通の友人宅でジャン=ミシェル・バスキアと出会い、二人は親交を深め、やがて内輪のジョークとして「SAMO(C)」のコンセプトを考案しました。
1977年には、仲間たちと共に新聞『Basement Blues Press』を立ち上げ、その春号においてバスキアが架空の宗教「SAMO」を題材にしたテキストを執筆しています。
SAMO(C)について
SAMO(C)とは「Same Old Shit(いつも同じくだらないもの)」の略であり、当時の主流文化、宗教、政治体制に対する冷笑的かつ反抗的な態度を内包していました。
SAMO(C)が次第にアート界から注目を集める中、1979年、両者の芸術的方向性の違いによりプロジェクトは終焉を迎え、ニューヨークの街には「SAMO IS DEAD」という言葉が残されました。
AL DIAZは言語と文字を扱う卓越した感覚を持ち、タイポグラフィを発展させながら独自の表現世界を構築してきました。2016年頃からは再び「SAMO(C)」のタグを用い、現代的文脈におけるストリートアートとしてその思想を更新し続けています。
2025年現在もニューヨークを拠点に精力的な活動を続けており、都市空間を単なる背景ではなく、「思考と発言が行われる能動的な場」として捉え、短い文言と象徴的な言語によって観る者の解釈を促します。その作品は、グラフィティの即興性とコンセプチュアル・アートの思考構造を融合させ、視覚的イメージ以上に「意味の衝突」や「言葉の余白」に焦点を当てています。
近年は、政治的メッセージ、社会の分断や崩壊、そしてアナグラムを用いた表現に特に注力しています。ニューヨーク地下鉄で使用されていた「WET PAINT」や運行案内サインを素材に、文字を切り出して再構成し、新たな意味を持つフレーズとして提示する作品群は、都市の日常を鋭い批評へと変換しています。
主な活動と作品の変遷(2015-2025)
SAMO(C)タグの再始動(2016年~)
2016年の米大統領選前後から、AL DIAZは一時中断していたSAMO(C)のタグを再び使用し始めました。過去の哲学的文言を、現代社会の政治的混乱、消費主義、文化的腐敗への批評として更新し、
「空虚な政治、洗脳的な宗教、偽りの哲学への終焉」という初期のメッセージを21世紀へと拡張しています。

273 trumps 214 Al Diaz 2021 44 x 33 cm mixed media on paper
「WET PAINT」シリーズとアナグラム(2015年~)
ニューヨーク地下鉄で見られる「WET PAINT」標識の文字を切り取り、再構成するコラージュ作品を継続的に制作。ユーモラスで皮肉的、時に詩的なアナグラム表現によって、制度化された言語の意味を転倒させています。代表作に “Because War is just a 3 Letter Word”(2019)、“Tolerate Civilization”(2019) などがあります。
立体・幾何学的表現への展開(2020年代~)
近年は平面作品に加え、「神聖幾何学(Sacred Geometry)」に着想を得た立体作品にも取り組んでいます。三角形や円、四角形などの幾何学形態に、赤・黒・白のシグネチャーカラーの文字を組み合わせた彫刻作品を発表。2023年、Van Der Plas Galleryでの展覧会「Words, Objects, Notions」は、この変化を象徴する展示となりました。
最近の主な展覧会・プロジェクト
2025年:「An Empire Fallen」
(One Art Space/トライベッカ)
文化的帝国の崩壊と再構築をテーマにした新作を発表
2024年:「Analog Pulse」
約30年に及ぶ木工・建築の経験を反映した彫刻・アッサンブラージュ作品を展示
2019年:Distassi Artを通じ、ヨーロッパでの初のコラボレーション展示を実現
また、自身の活動史をまとめた書籍『SAMO(C)… SINCE 1978』 を刊行し、第一世代グラフィティ・アーティストとしての歴史を記録するとともに、講演活動も行っています。
2023年には、俳優アンジェリーナ・ジョリーがニューヨーク・マンハッタンに開設したファッションブランド「Atelier Jolie」に関連するプロジェクトにも参加。同施設は、かつてアンディ・ウォーホルが所有し、ジャン=ミシェル・バスキアが居住・制作していた歴史的建築であり、AL DIAZはその文脈を継承する形でSAMO(C)スタイルの作品制作や空間演出に携わりました。
AL DIAZは「バスキアの友人」という枠を超え、“ニューヨークの声を視覚化するアーティスト“として、現在も唯一無二の立ち位置を確立し続けています。

SAMO is an assole Al Diaz 2024 43.5 x 60 cm print on canvas
お問い合わせ先
SH GALLERY
TEL:03-6278-7970
E-mail:info@shartproject.com
Web:www.shartproject.com
※本リリースの内容は予告なく変更となる場合がございます。あらかじめご了承ください。
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