世間には、仲が良く強い絆と信頼感で結ばれているファミリーがいる一方、言い争いや不満が多く、家族仲が思わしくないファミリーもいます。
両者の違いは、いったいなんなのでしょう?
家族と良い関係を築き続けるママが持っているものを5つお伝えします。
家族と良い関係を築き続けるママの共通点5つ
1. 離別感
『離別感』とは、「相手と自分は違う人格や考えを持つ、別の人間」という感覚のことです。これは、身近な人と良い関係を築き続けたいなら、必ず持っておいたほうがいい感覚です。
しかし、実際には、離別感とは真逆の『一体感』を持って接してしまっている人は、少なくありません。一体感は、「相手は自分と同じ感覚・感情を持っていて当たり前だ」、そして、「相手は自分の思う通りに動いてくれて当たり前だ」と考えてしまう感覚のことを言います。
これは、近しい関係の人にこそ持ちやすい感覚なのですが、これを持って接していると、相手は必ずあなたの存在が窮屈になります。
たとえば、上司と部下の関係の場合、上司が一体感を持っていると、部下が自分の思う通りの仕事をやってくれない場合、上司は激しく怒り出します。
カップルの場合、女性が男性に一体感を持っていると、好きな男性が自分の望むような愛を注いでくれない場合、「愛がない人」「冷たい人」と非難し出します。夫婦関係にしても同様です。
そして、母親が子どもに一体感を持ってしまった場合は、「あなたのために」という言葉で、親子の愛情という鎖で、子どもを自分の思う通りにコントロールしようとします。
離別感を持つということは、別の言い方をすれば、“相手を一人の人間として認める”ということ、そして、“相手は自分のために生まれてきたのではない”という考えを持つということです。
離別感を持つと、距離ができ、相手の存在を尊重できるようになるので、良好な関係をキープしやすくなります。
2.聴く耳
家族の話をちゃんと聴けている人というのは、案外少ないようです。
聴くということは、相手を理解するということ。
身内はいつも接しているので、話なんか聴かなくても相手のことをよく理解しているように思いますが、それは単なる思い込みで、実際は理解できていないことのほうが圧倒的に多いです。
人は、心を許した身近な相手ほど、自分の気持ちをぶつけやすくなります。そして、相手の気持ちを理解する努力を怠ってしまいます。
“帰宅恐怖症”という言葉の出現が表しているように、「夫が最近ろくにコミュニケーションを取ってくれない」「夫に避けられている気がする」という女性は数多くいらっしゃいます。
また、「子どもがなにを考えているのか分からない」「子どもがちっとも話をしてくれない」という悩みを抱える親御さんも多いです。
これらは、相手の話をろくに聴かず、自分の気持ちを一方的に打ち放つコミュニケーションを取り続けてきたことの証明と言えます。
人は、聴かない人には口を閉ざし、やがて心を閉ざします。人は、聴かない人には、話さないのです。
私は聴き方の技術を伝える講座をときどき開催していますが、その講座を受けた主婦の方から、「家族の話を聴いているようで、まったく聴けていなかったことに気づいた」というお声を本当によくいただきます。
そして、講座で得たことを実践することで、「夫や子どもが上機嫌で話してくれることが多くなった」「家族の会話が増えた」という喜びの声もいただきます。
聴く耳を持つことで、家族のコミュニケーションは確実に豊かになります。
3.向上心
子どもに「向上心を持ってほしい」「向上心のある子に育ってほしい」と願うママは少なくないでしょう。
子どもに向上心を持ってもらいたいなら、「親である自分自身が向上心を持っているか?」というのが、大きな鍵になってきます。
子どもは、親の言うことはなかなかきいてくれませんが、親のすることはよく真似します。
向上心を持ってなにかに取り組み、成長しようとする親の姿は、どんな言葉よりも、子どもに学び続けることの大切さを伝えるでしょう。
また、私の周りの子育て中のママを見ていると、向上心を持って仕事や目標に取り組んでいるママの子どもは、自主的に自分の身の回りのことをしたり、お手伝いを積極的にしていることが多いようです。
「がんばっているママを応援しよう」という気持ちが芽生えるのですね。
夫婦関係においても、向上心を持つことは、家庭に良い影響を与えます。
向上心を持つということは、「自分の幸せや満足は自分で作り出すもの」という意識を持つことなので、自然と夫に対する愚痴や不満が少なくなります。
また、常に成長し変化しようとする姿は、パートナーに刺激を与え、マンネリ化を防ぐことにも繋がります。