帰宅した子どもがいつもより元気がない。暗い顔をしている。「なぜ?なんとかしなきゃ!」と思うのが当然の親心ですね。
けれども、対応の仕方によって、子どもが本音を話しづらくなることもあります。『「テキトー母さん」流子育てのコツ』の著者・立石美津子がお話しします。
止めておいた方がよい5つの聞き方
1.熱血タイプ
「今日、○○君に叩かれちゃった~」と子どもが口にすると、やられっぱなしなのが可哀想、また情けなくなってしまい次のように叱咤激励してしまうタイプです。
- 「そんなことでメソメソして。弱虫ね。もっと強くなりなさい」
- 「なんで、黙ってやられっぱなしなの、同じようにやり返してやればいいじゃない」
- 「悔しいんだったら、泣くんじゃないの。頑張って」
実はこの対応は“傷口に塩を塗る”なのです。せっかくママに慰めてもらおうと思ったのに、親もなんだか苛めっ子みたいなっていますね。
ダメ出しばかりしていると、子どもは「どうせママにまた言っても、却って叱られる…」と考えてしまい、本当に苛めがあったとき親にSOSを出せなくなってしまいます。
2.問い詰めるタイプ
まだ、何も訴えていないうちから、矢継ぎ早に次のように言われたらどうでしょう。
- 「どうしたの?一体何があったの?」
- 「誰かに苛められているんじゃないの?ママにちゃんと話しなさい!」
こんな風に尋問されると、言葉に詰まってしまいます。
そんな親の態度を見て、「余計な心配をかけたくない」「恥ずかしい」「弱みをみせたくない」という気持ちも芽生えてきます。質問魔になるのは止めた方がよさそうですね。
3.一刻も早く解決したいエキサイトタイプ
「今日、幼稚園で○○君におもちゃを取られた~」とただ、それだけ言っただけなのに…エキサイトしてしまうタイプです。
- 「○○君にまた意地悪されたのね。○○君の家に電話して叱ってもらうわ。だから、安心しなさい」
- 「今から幼稚園に電話しておいてあげるから。先生からも○○君のこと叱ってもらいましょう」
- 「明日ママも一緒に幼稚園に行って、○○君の様子を見ているから!」
もしかしたら、あなたの子どもの方が先におもちゃを奪い取ったかもしれません。事実関係の把握をしないまま暴走してしまう人ですね。
そして、子どもはこんな風に考えてしまいます。
- 「ママに言うと、相手の家に乗り込んでいくのでは。そうしたら却って苛められるかも?」
- 「幼稚園の先生が○○君のことを叱ったら、あたしがママにちくったことになり、明日から仲間外れになってしまう」
こうなると、その後の展開を恐れて「却って親には黙っていた方がマシだ」と思ってしまうかもしれませんね。
4.話を聞いてやらないタイプ
子どもが必死で訴えているのに、お皿を洗いながら、スマホやパソコンに視線を向けながら、テレビを見ながらなど、上の空で聞かれたら、「ちゃんと話を聞いてもらえてない。もういいや…」と話すことを諦めてしまいます。
最近の病院の医師の中にはカルテをデータ化するために、患者の話を聞きながら、目線はパソコンに釘つけの人っていますよね。患者として「ねえ、先生、私の話をちゃんと聞いてくれているの?」と感じてしまいます。
子どもの話を聞くときは手をとめてしっかり向き合いましょう。どうしても手が離せないときは、「お皿洗いが終わったら、話を聞くからね。それまで少し待っていてね」と聞く気持ちがあることをしっかりと伝えることが大切です。
5.話の腰を折るせっかちなタイプ
子どもが帰宅後「「今日、〇〇君に意地悪されて……」と言ったとき、まだ話が全部終わっていないのに『そんなの大丈夫よ。知らんぷりして気にしなきゃいいのよ』と言ってしまうせっかち母さん。途中で話を持っていかれたり、一方的に結論を言われてしまうと、口を閉ざしたくなります。
こうなると、「もうママに話したってわかってもらえない」となり、今度からは話をしなくなります。早合点は禁物です。