4. 許す心

家族・・・特に夫婦間では、夫に対して、ときに「許せない!」と思う出来事に遭遇することもあるかと思います。

ひどい裏切り行為があった場合は、相手を許すなんてとてもできない心境に陥ることもあるでしょう。離婚を真剣に考えることもあるかもしれません。

そんなとき、夫に早々に見切りをつけて新たな人生を歩む決断をするのもアリですが、「相手も弱い人間だったんだ。だから、間違った行動をしてしまった」という考えを持ち、夫を許す選択をすることも、夫婦円満に必要なことかもしれません。

心理学では、夫婦は相補的な役割を担っていると言われています。つまり、相手は、自分に足りないところや未熟なところ、乗り越えるべき課題を見せてくれている存在かもしれないのです。

そう考えると、夫の「許せない」と思う一面や裏切り行為は、あなたが人生で解決するべき課題を暗に提示しているのかもしれません。

また、最も身近な存在である家族に対して「許せない」という気持ちを抱えて生きることは、自分の人生を楽しむ機会を自ら奪い取っていると言うことができます。子どもへの影響も、計り知れません。

過去、「父と母がもう十年近くまともに会話をしていない」という高校生がいました。原因は父親にあったようです。その父親は、過去に家のお金を使い込んでいたことがあったのです。

「父のやったことは、確かに悪いこと。だけど、父と会話していると、とても楽しい。そして、料理がとても上手など、尊敬できるところもある。父と母の会話がないのは、やっぱりとてもつらい」とその高校生は言っていました。

お互いに相手を信頼し、愛があればこそ、裏切られたときの心の傷は深くなるもの。人を許すには、時間がかかります。

そう簡単に割り切れるものではないと思いますが、許す心を忘れずにどこかに持ち合わせておいてほしいと思います。

5.感謝の気持ち

先日、元同僚の男性から、妻から離婚を切り出され、離婚をしたと伝えられました。離婚の理由を聞くと、妻から「感謝の言葉がない」と告げられたとのことでした。

振り返ってみると、確かに彼は、妻に対して感謝の言葉をいつの間にか告げなくなっていました。しかし、それは彼の妻にしても同じで、「自分も結婚生活の中で妻から感謝の言葉をかけられた覚えがない」と、彼は言っていました。

仕事から疲れて家に帰っても、愚痴や不満、ママ友とのトラブルについての話ばかり。ほぼ毎日のように不機嫌な表情を見せられて、彼はとうとう“帰宅恐怖症”になってしまいました。

夫婦仲、家族仲が良好な家庭というのは、「ありがとう」の言葉がよく交わされています。

身近な関係の家族ほど、足らないところやマイナス面ばかりが目につきがち。そしてそれを指摘したくなります。しかし、やってくれていることやプラス面も、たくさんあるのではないでしょうか?

まずは自分から、感謝の気持ちを持ち、言葉がけをすることを忘れないようにしたいですね。

夫婦間で感謝の言葉が飛び交うようになると、子どもも、人に対して感謝の気持ちを持つことの大切さを学んでくれるようになるでしょう。

家庭内には、いつかどこかでなにかしら問題やトラブルは発生します。それは、どんな相手と一緒になっても、起こりうると思います。なので、家族と良い関係を築き続けていくには、やはり工夫や努力は、不可欠だと思うのです。

今日お伝えした5つを意識することで、家族が仲良く過ごせる時間は確実に増えてくるのではないでしょうか。

3万人を超える人の悩みを解決するコーチ&カウンセラーとして活躍。 2010年、その経験を活かしてコミュニケーション心理スキルを紹介する、コミュニケーションライターとして独立。一般社団法人日本聴き方協会認定シニアインストラクター・認定シニアカウンセラー。 [ブログ]