店の奥にある工房で4タイプの食パンを焼いている。1種類は、イートインで提供する、プレーンタイプの「レブレッソ・ブレッド」(650円)。もう1種類は、「ハードトースト」(540円)。

どんなパンなのか、大山さんに解説してもらおう。

「フランスパンのような作り方で、もちもちふわふわな食感が特徴です。トーストの時間次第で、パリッと焼き上がったり、皮がパリッと焼け、中がふわふわにもなります」

大山さんにお願いして、カットしただけのハードトーストと、トーストしたものの食べ比べをさせてもらった(本来、店はできないことなので要注意)。
 

写真はハードトースト

「ハードトーストの焼き加減は、僕好みにしました。トースターにもよりますが、数分焼いて食べるのが好きです」

その名に反し、ハードトーストはそのままだと、まったく〈ハード〉ではない。ところが、数分焼くと、〈ハード〉に豹変する。皮パリッで、中ふわ。バターをつけると、先の厚切りトーストとはまったく異なる味わいだった。もちろん焼かずに食べても旨い。

最後になったが、レブレッソにはもう2種類食パンがある。季節限定パン(540円)だ。

「サツマイモ&アップル」(右)と「クルミのキャラメリーゼ」(左)

秋は、「サツマイモ&アップル」と「クルミのキャラメリーゼ」が登場。今回、取材が8月31日だったこともあり、秋おすすめのパンを食べることができなかった。残念。

レブレッソでは、毎日食べても飽きないパンを目指しているという。食べ飽きないというよりも、小さな幸せかもしれないが、一枚でハッピーにしてくれるパンを、毎日食べたいと思った。

食べているときは、誰もが思いっきり目尻がさがる、と思う。

レブレッソ目黒武蔵小山店
住所/東京都目黒区目黒本町3-5-6
営業/9時(土日祝8時)~19時
電話/03-6712-2780
不定休
※すべて税込価格

東京五輪開催前の3歳の時、亀戸天神の側にあった田久保精肉店のコロッケと出会い、食に目覚める。以来コロッケの買い食いに明け暮れる人生を謳歌。主な著書に『平翠軒のうまいもの帳』、『自家菜園のあるレストラン』、『一流シェフの味を10分で作る! 男の料理』などの他、『笠原将弘のおやつまみ』の企画・構成を担当。