12.Rammellzee :襲来する伝説の武装文字
13.景山八郎 :宇宙と交信し続ける村長
例えば、以前福山市にあった占いハウス『天界』。姓名判断やオーラをみたり、様々なオブジェが飾ってあったりしたという。残念ながら現在は閉店してしまったが、お店を占める際に色々な物品を美術館で保管していたそうだ。今回、それらを展示することにより占いハウスがよみがえる。
その他にも、絵画、立体など、幅広い作品が展示される。恐らく出展作品数は1000点を超えるのではないか、とのこと。
―関連イベントもかなり濃厚ですね。
・昆虫観音巡礼ツアー
稲村米治さんが昆虫の死骸で制作した千手観音像や新田義貞像 を巡るツアー。JR 上野駅中央改札集合。
櫛野さん:美術館の中に持ち込めない作品もかなりあるんです。それらをぜひ紹介したかったのと、美術館が広島なので関東の方はなかなかアクセスしづらいということがあります。それだったら東京の方が近いので、美術館でなくて現場で直接作った方にお話を聞くことをしようかと考えました。
・鞆の浦スピリチュアル探訪ツアー
櫛野さん:訪れる場所は自分たちで足を運んで、地元のスピリチュアル的なスポットを探しました。地元の人も結構知らない場所を見つけてきました。平賀源内の生祀、安産・子授け祈願で知られる阿伏兎観音、ホテルの非常階段を利用してつくられた「鞆の浦美術館」など、鞆の浦に点在する「パワースポット」をめぐり、現代における信仰のかたちを体験します。
―今回の展覧会の見どころを教えてください。
櫛野さん:人は何かしら信じるものを持っています。ただ、科学が全盛となっているこの時代、そういったものは否定される傾向にある。
一方で、僕たちは普段から「一生のお願い」と言ったり「神様、仏様」とお祈りしたりすることがある。何かしらの信仰心みたいなものを生まれながらにして持っている部分があります。そういったものを具現化したのがこれらの作品なので、本当に人間と言うのは豊かな存在なんだな、ということに気付いてもらえれば思います。
その人にしか感じられない“波動”、あるいは“メッセージ”を受け取って作られたもの。アート、というより作り手にとっての思想・信念を具現化したものであり、心のよりどころになっているに違いない。
最初は奇抜で独創的すぎる作品たちに驚いたが、誰の中にもこうしたスピリチュアルなものが存在する。そして、それらはふとした時に「こんにちは」と声をかけてくるのだろう。
2015.03.24 文・篠崎夏美 【画像提供:鞆の津ミュージアム】