ドレッサー、ミュシャからブロイヤー、イームズまで 工芸からモダン・デザインへとつづく100年の歩みをご紹介

国立工芸館(石川県金沢市)では、2026年10月9日(金)から2027年1月11日(月・祝)まで、企画展「デザイン・クロニクル展 なにが生まれて、なにが変わった?」を開催します。
デザインとは近代化によって生じた様々な課題に対応するために工芸から派生した新しいものづくりの考え方です。それはヨーロッパで生まれ、世界中へと広がってゆきました。
本展では当館のデザインコレクションを中心に紹介し、19世紀後半のアーツ&クラフツ運動からアール・ヌーヴォーとアール・デコ、そしてバウハウスに代表されるモダニズム・デザイン、さらに第二次大戦後の展開までの100年あまりのデザインの流れをたどります。

デザイン・クロニクル展 なにが生まれて、なにが変わった? 展示風景1.
デザイン・クロニクル展 なにが生まれて、なにが変わった? 展示風景2.
■展示内容
1章 アーツ&クラフツ運動とアール・ヌーヴォー19世紀後半から20世紀初頭にかけて、動植物をモチーフとした流麗な曲線による装飾様式が流行します。それは急速な工業化や都市化により均整を欠いた社会や生活に不安を覚えた人たちによる、自然がもつ秩序や活力を取り入れたいという願いでもありました。生活の変化がもたらした新しいものづくりのアイデアは、やがてモダン・デザインの種となります。

クリストファー・ドレッサー 《ケトルとスタンド》 1882-85年頃 国立工芸館蔵 撮影:エス・アンド・ティ フォト

アルフォンス・ミュシャ 《サラ・ベルナール》 1896年 国立工芸館蔵 【前期展示】
2章 アール・デコ
曲線を多用した装飾にかわり、1910年代後半からより大胆で幾何学的な装飾が流行します。1925年パリで開催された展覧会にちなみアール・デコと呼ばれるこの様式は、工業的生産に適した形態や装飾であると同時に、自動車や飛行機のもたらす移動の高速化や産業の機械化という「マシーン・エイジ」の到来を肯定的にとらえた新しい美意識の反映でもありました。

ピエール・シャロー《書架机》1930年頃 国立工芸館蔵

作者不詳《ブローチ》1920-30年代頃 国立工芸館蔵 撮影:品野塁
3章 モダニズム・デザイン
第一次大戦後の1919年ドイツで設立された建築デザイン学校バウハウスでは、芸術と科学技術の統一を掲げ、新しい教育が展開されました。いかに装飾するかを問題としたデザイン黎明期から大きく転換し、生産効率や機能性を追求することで生まれた装飾のないフォルムは時代や地域を超えた普遍性を備え、今日まであらゆるデザインの基礎となっています。

マリアンネ・ブラント《ティーセット》1925年頃 国立工芸館蔵 撮影:アローアートワークス

ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ 《MR 10 椅子》1927年 国立工芸館蔵 撮影:エス・アンド・ティ フォト
4章 戦後の展開
第二次大戦後もモダニズム・デザインは主流であり続けますが、一方でその画一化された禁欲的なデザインへの反動も起きました。機能や合理性だけを追求せず遊びやユーモアなどそれまで無駄とされた要素を取り込むことで、豊かなイメージを喚起させるデザインが登場します。無機質でクールなスタイルや装飾的で激しいスタイルなどが共存し、多様な展開を見せています。

チャールズ&レイ・イームズ《ワイヤーメッシュ・チェア》1951-53年 国立工芸館蔵 撮影:エス・アンド・ティ フォト

エンツォ・マーリ《磁器のデザイン C》1973年 国立工芸館蔵 撮影:エス・アンド・ティ フォト
■開催概要

展覧会公式サイト https://www.momat.go.jp/craft-museum/exhibitions/573

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