高齢出産にはメリットもある?

高齢出産には“リスク”ばかりが広く知られていますが、実は高齢出産には、母子(出産後)ともにさまざまなメリットがあるという研究発表もあるのです。

1 ママのメリット
・子宮体がんの発生率の低下
米国の国立がん研究所の発表によると、子宮体がんの発生率は、出産してママになった年齢が25歳以前の女性を基準にすると、ママになった年齢が30歳だと13%のリスクの低下、40歳だと44%のリスクの低下があると発表されました。その他の年齢層でも高齢になるほど子宮体がん発生のリスクの低下がみられたそうです。

また、妊娠中に分泌され続ける“プロゲステロンホルモン”にガン抑制作用があるということも判明しました。子宮体がんを発症する“危険期間”に出産を終えてママになった女性は、“プロゲステロンホルモン”というホルモンによって子宮をがん細胞から守ったことになります。

さらに、出産するときに子宮体腔の粘膜が剥がれ落すので、粘膜の裏に発生し始めていたがん細胞を粘膜と一緒に体外に出してしまうことができます。この現象が、子宮体がん発生率低下を促しているのです。

・経済的余裕によって精神的に余裕を持って不妊治療ができる
一般的に夫婦の経済力は、20代よりも30代以降の夫婦の方が高くなります。そのため年齢が上がるほど経済的な余裕が生まれ、不妊治療の継続による経済的な問題に対する精神的ストレスが軽くなるのです。

・高齢出産で心身ともに若返る
妊娠によって女性ホルモンの分泌が増加し、美容効果を高めるので若々しくなるといわれています。さらにハーバード大学の研究によると、40歳以上の高齢出産を体験した女性は100歳までの長寿が期待されるのだそうです。

2 赤ちゃんのメリット
・乳幼児の肥満リスクと怪我のリスクが低下
イギリスの研究によると、「40歳以上のママが出産した9ヶ月から5歳児までの幼児の肥満リスクや怪我の割合が一般よりも低い」といわれています。40代の幼児のママたちは、若いママに比べて人生経験が豊富な上に、若いころから周囲の子育て情報を自然と見聞きしてきたおかげで、自分の乳幼児の子育てについて、パニックにならずに落ち着いた対処ができるのではないかといわれています。

・IQが高い(生まれつきというよりは母親の子育ての効果)
高齢出産でママになった女性は、高学歴でキャリアウーマンだった女性が多い傾向があるというデータがあります。また高学歴な女性たちは、日常的に本を読む傾向があり、そんな女性たちがママになると、自ずと子供にも本を読み聞かせる習慣が生まれる傾向にあるのだそうです。本を読み聞かせる習慣のデータは、40代以上の母親の場合は76%、20代の母親の場合は57%です。

本の読み聞かせ効果なのか、5歳児のIQの調査データでも、高齢出産で生まれた子供たちのIQの方が、若い母親から生まれた子供よりも高いことが判明しています。つまり、「高齢出産で生まれた赤ちゃんは頭が良い!」と科学的に証明されたのです。

高齢出産はリスクが高いといわれていますが、いざ出産に成功して子育てに入ると、神様のご褒美のようなメリットが母子ともに次々と現れるのですね。