5月23日に松田翔太さん&前田敦子さん主演で映画「イニシエーション・ラブ」が公開されました!この作品は、乾くるみさんの大ヒット小説『イニシエーション・ラブ』(原書房/文春文庫刊)を映画化したもので、映像化は無理! と言われていた作品です。
筆者は原作の大ファンだったので「映画化される」というニュースを聞いたときはとても驚きました……。
一見どこから見ても甘~く切な~い普通の恋愛小説なのに、最後から2行目で、全く違った物語に変貌してしまう、傑作ミステリーとも言える『イニシエーション・ラブ』。
小説ならでは、小説だからこそ(強調)使用できたはずのトリックなのに、映像化で一体それをどう表現したのだろう!? この目で確かめなくては!! と、変な正義感にかられ、さっそく映画館に向かいました。今回はその模様をレポートしたいと思います。
そもそも『イニシエーション・ラブ』はどんなお話?
このお話の舞台は「ハイレグ」や、「男女7人夏物語」が流行した80年代の静岡と東京で、Side-Aと、Side-Bの2編で綴られるラブストーリーです。
主人公は「鈴木」と言う名の、真面目で純真な大学生。彼は、代打で参加した合コンで「繭子」という歯科助手の女の子と出会い、紆余曲折を経て、無事カップルになります。
繭子のアドバイスで、ポッチャリしていてちょっとダサかった鈴木君は、メガネをコンタクトにしたり、車の運転免許を取得したり、髪型を変えたりと、少しずつ外見も内面も変化していきます。ドキドキの初デートや鈴木君の妄想が微笑ましく、思わずニヤニヤしながら見てしまうのが「静岡編」<Side-A>です。
Side-Bでは、就職して鈴木が東京に行くことになり、静岡と東京で遠距離恋愛になる様子が描かれています。始めは休みの度に繭子に会いに静岡に来ていた鈴木ですが、東京のデキる女・「美弥子」の出現で、いつしか二人の関係はギクシャクしてしまいます……。二人の関係が微妙に変わっていく様子が描かれているのが「東京編」<Side-B>です。
Side-A、Side-B共に「うんうん、あるある!」と思わずうなずきながら読んでしまう、ときに甘~い、ときにほろ苦~い、本当に普通の恋愛小説なのですが、それが実は、物語の最後の最後で、とんでもない秘密が隠されていたことが明らかになります!