最後の大どんでん返しは!?

小説では、最後から2行目で、全く違った物語に変貌してしまった『イニシエーション・ラブ』ですが、映画ではもう本当にさすが! と言いますか、映画ならではの騙しのテクニックがいとも自然に使われていました。

変な小細工も一切なしで、原作ファンを全く裏切ることなく、最後の5分まで、自然に普通の恋愛映画のように、ストーリーが進んでいきました。

  

前田敦子さん演じる「繭子」のくるくる変わる魅力的な表情・そして次々変わる洋服に、女である筆者も悩殺されてしまうのはもちろんのこと、松田翔太さん演じる「鈴木」の格好良さも半端なくて、小説を読んでいる時には「こんな恋愛、ちょっと現実では想像できない。怖い!」と思っていたのですが、映画を通して時代背景と共に彼らの心の中をゆっくり想像してみると、「現実でも、もしかしたらそこら中にあるのかもしれないなあ……。だって、松田翔太さんは格好良いし、前田敦子さんはめっちゃ可愛いもんなあ……。しょうがないよなあ……」と思ってしまいました。個人的には、原作よりわかりやすく、とても丁寧に作りこまれている映画である印象を持ちました。

おっと、ネタばれはNGだと映画の中でも忠告されましたので、書けるのはここまでです(笑)。

映画最後の5分、原作を知っていても知らなくても、きっと見ている方はみんな、冷や汗がでて思わず震えてしまうはず! そして、もう一度事実を確認しに、映画館に向かいたくなるかもしれません。

「イニシエーション・ラブ」は日本語で「通過儀礼としての恋愛」という意味です。誰もが一度は、恋に恋をして、相手の一挙一動に振り回され、周りが見えなくなっちゃう恋愛をすることがあるかと思います。でもその時、相手もまたそんな心境でいるとは限りませんよね? 恋愛って、ある日突然、地獄へ突き落とされる瞬間って、ありますよね?

このお話で、一番悪い人は、一体誰なのでしょうか?
ぜひ映画館に行って、確かめて見て下さいね!

 京都府在住の26歳。三度の飯より本が好きで、またそのレビューを書くことを何よりも愛している。毒のある本やミステリーが好き。主に「読書」の分野で記事を書いています。いつでもアワアワしているフリーランスのライターです。 Blog