時代劇で侍がズラッと刀を抜くシーンがありますが、実際にやろうとしても長さがあるため素人はスムーズに抜けません! 特に女性はリーチが短いので難しいのだとか。ましてや鞘を見ずにカッコよく刀を収めるなんて、至難のワザです。本物の刀だったら間違いなく手を切ってしまいそう……。

先生が模擬刀を振ると『ビューッ!』という風斬り音がするのですが、私はスカッとすら音がしません。それどころか、何回か振っているだけで腕や肩が痛くなる始末。やはり剣の道は厳しいですね。

マンガで良くある、“眼にも止まらぬ速さ”で剣を振るったり、両手(及び口)に持って戦ったり、なんて出来そうもありませんが、やっぱり彼らはスゴイ!! と変なところで感動。アニメやマンガのキャラクターとは言え、少しだけ彼らに近づけた気がして嬉しくなりました。

稽古はここまで。次はいよいよ真剣での試し斬りです。

  

“真剣”の持つ重みと雰囲気に圧倒されつつ、「いざ、参る !!」

④真剣試し斬り
試し斬り用の巻き藁は、切った時の感覚をリアルにするため、一日ほど水に漬けているそう。舞台後方ではかがり火のような照明も灯され、雰囲気満点。真っ暗なステージで懐中電灯の小さな灯りだけを頼りにフォームなどを最終確認。

かがり火が消されると、闇の中で合図の太鼓が鳴ります。ステージ中央にパッとライトが当たり、体験者が登場。まるで演劇のような演出で、見ているだけでドキドキします。

  

一呼吸の後、剱が煌めいたかと思うと巻き藁はまっぷたつ。初心者にもあんなに簡単に切れるのかとびっくりしました。あまりに一瞬だったのと、その切れ味に体験者本人にも驚いているようでした。

体験者に、真剣試し斬りの感想を聞いてみました。
「真剣は思ったより軽かったですが、オーラが明らかに違い圧倒されました。非現実的な空間で緊張感がありましたね。

切った瞬間はあまり感触がないと言うか、重力で切れた感じでした。藁がスパッと切れた時には、なんとも言えない爽快感を味わえました。きっと一度やったらクセになるのではないでしょうか。

スポットライトを浴びるステージ上での真剣試し斬りは、平常心を保つ精神力が試されると思います。ぜひ一度あの感覚を味わってみて欲しいです」