7月18日(土)全国公開される映画『インサイド・ヘッド』。
「ピクサー最高傑作」との声も多く上がっている、大注目の作品です。
素晴らしい世界観と、豊かな表現力で描く“頭の中”の物語。
その表現を実現させた背景には、ディズニーの名作アニメーション映画『不思議の国のアリス』がありました。
今回は、『インサイド・ヘッド』と『ふしぎの国のアリス』の意外な関係をご紹介します。
映画のネタバレはありませんよ!
“頭の中”を描くためにこだわった照明技術
『インサイド・ヘッド』の舞台は、文字通り“頭の中”。
少女ライリーの頭の中にいるヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリという5人の感情が主人公です。
映画では、ライリーが生活する現実の世界と、ライリーを司る頭の中の世界が登場。
観客はそれぞれの世界を行き来し感情たちの行動がライリーの現実の行動にどのように反映されていくかを見ていきます。
2つの世界を描き分けるため、頭の中の世界は、照明にとてもこだわって作られています。
感情たちのふわっとした輪郭をはじめ、頭の中の世界がファンタジックに見えるのは、こだわられた照明技術が活躍しているからなのです。
『インサイド・ヘッド』と『ふしぎの国のアリス』のチシャ猫の意外な関係
照明技術にこだわるため、ピクサーの照明部門スタッフたちは、ディズニー映画『ふしぎの国のアリス』を参考にしました。
少女アリスが夢の世界に迷い込み、ふしぎなキャラクターと出会っていく物語『ふしぎの国のアリス』。
少女の頭の中の世界を描いているという点では『インサイド・ヘッド』と共通点を持っている作品だといえるでしょう。
では、『ふしぎの国のアリス』のどこが『インサイド・ヘッド』に活かされたのか。
それは人気キャラクター、チシャ猫です。
チシャ猫といえば、ピンクと白の縞々で、自在に消えたり現れたりするふしぎな猫。
その登場シーンを思い出してみましょう。
白ウサギを見失い、道に迷ったアリス。
リスの周りの草木が順番に青や緑に光りながら背景が真っ暗になり、最後はアリスだけに照明が当てられます。
何が起きるのかと思った瞬間、チェシャ猫の白い歯が三日月のように現れます。
これこそが、『インサイド・ヘッド』に活かされた照明の効果。
この照明の使い方は、チシャ猫の登場シーンを劇的に演出しているといいます。