山の1年に見る、環境の変化
同じく『そこに山ありて-名峰・鳥海山 神秘の自然』も大自然の神秘を目撃できる。
『神秘の球体 マリモ―北海道 阿寒湖の奇跡』が地中に近い水の底なのに対し、こちらは空に近い山が舞台。
秋田県の日本海沿いにある鳥海山は、標高2000mほどながら、世界的に見ても降雨と降雪量が多い関係で3000m級の山に生息する貴重な高山植物が数多く生息しているそう。
本作では、この山の1年がカメラに鮮明に記録されている。
とにかく四季折々でまったく違う表情を見せてくれる山の美しさ、自然の厳しさと植物の生命力を感じさせる映像がすばらしいの一言。
その圧巻の自然の映像は、大人も子供も目を奪われることだろう。
その一方で手がけた石川岳監督が「この作品の主人公は、山で肩を寄せ合っていきている小さな植物たち。彼らの声に耳を澄ませば、きっと何かが聞こえてくるでしょう」と言葉を寄せるように、これだけの大自然にも確実に環境の変化が近づいていることも伝えている。
厳しい自然の中で健気にそしてたくましく生きる高山植物の姿から、大人も子供も何かしらのメッセージを受け取ることだろう。
ちなみに今後開催される地方上映会では、大阪で『終わりのない道』『ミッドナイトブルー』『そこに山ありて―名峰・鳥海山 神秘の自然 』『福島 生きものの記録 シリーズ 2~異変~』『ダムネーション 』、長野と山梨では『Last Call―科学者たちの警告 』が上映される。
環境について関心があっても、これだけ情報が氾濫する中で、何を見ればいいのかわからないという人は多いのではないだろうか?
その中で、<グリーンイメージ国際環境映像祭>のような存在は、ひとつ入り口になってくれるに違いない。
同時に、なかなか目にすることのない世界の現状に触れる貴重な機会にもなるはず。現段階での地方上映会は大阪、長野、山梨が決定。お近くの方は足を運んでみては?
<第3回 生きている地球の記録 in 大阪~グリーンイメージ国際環境映像祭入賞作品上映会~>
期日:8月23日(日)
会場:大阪歴史博物館
参加費:無料・事前申込制 (8月14日(金)締切)
<『Last Call―科学者たちの警告 』上映 in 油やキネマIII>
期日:8月27日(木)
会場:信濃追分文化磁場「油や」スペース710
参加費:1000円
<八ヶ岳環境映像祭>
期日: 9 月 23 日(水)
会場:山梨県立八ヶ岳自然ふれあいセンター