というのも、フランス人にとっていつ何時であっても恋愛のチャンスがあると思っているのです。ですので、電車の中で化粧をするという行為は“ありえない”ことなのです。

「カフェでお茶を飲んでいても、ウィンドウショッピングを楽しんでいても、いつどこに恋愛のチャンスが転がっているかわからない。つねにそう思っているフランス人女性には、電車の中でメイクをするなんて考えられないと、彼女は言いました。

夫あろうと恋人であろうと、女としていちばん綺麗でありたいはずの『愛する人』の前で、綺麗になろうと努力する、いわば格好悪い姿を見せるなんて、それもまた信じられないのだ、と。」『ハイヒールは女の筋トレ』

なるほど、確かに綺麗になることはもちろん良いのですが、それが目的となってしまっているのかもしれません。全員がそうとは限りませんが、やはり男性に良く見てもらいたいという気持ちから化粧をする人もいるでしょう。しかし、その姿を電車内で晒していたら、せっかくのチャンスを逸してしまうことになります。

電車に乗っている時間こそが、社外の人と出会う絶好のタイミングだったりするのです。是非、それまでに化粧を終わらせて、ゆとりある行動の中で出会いを楽しんでみてはいかがでしょうか。

男性である筆者としては、女性が目の前で化粧ポーチを開く度に、「あぁ、この女性にとって自分は論外なのだな……」と軽く傷つくこともしばしば。確かに男性からすると、一気に恋愛の期待がなくなる瞬間なのかもしれません。

この夏に出会いを求めている方は是非、「わかってはいるけど」を終わりにして、自宅での化粧に切り替えてみてはいかがでしょう。化粧を「たしなむ」程の余裕を持って、朝の時間を過ごすことで、あなたに素敵な出会いが訪れるかもしれません。

<参考書籍>
『ハイヒールは女の筋トレ』松本千登世著(講談社)