削り節はなんといっても、「削った瞬間がいちばんおいしい」。そこで早速、削りたてホヤホヤの削り節を、カツオ・そうだがつお・むろあじ・サバ・マグロ…と順に試食していきます。

魚によって、それぞれ微妙に異なる味と香り。
「こっちの方がおいしい」「魚食べてるみたい」「なんか紙みたい」

その違いを言葉で表現するのは難しくても、嬉々とした表情で次から次につまんでは食べる子どもたち。「食べ過ぎ!」と苦々しくお母さんに注意される子も。

プロがすすめる「だし」とりは“コーヒーフィルター”!

ところで、かつお節で「だし」をとって漉すとき、通常はふきんやペーパータオルなどを使いますよね。でも、秋山先生がオススメするのは…

「家庭での強い味方はコーヒーフィルターです。ものすごくきれいに落ちます。かつお節の量の目安は、1Lに対して30g前後、料理屋さんによっては、40g入れる方もいらっしゃいます。
料理屋さんが100人いれば100通りのやり方があります。皆さんのご家庭で“おいしい”と思ったものが、家庭の味だと思ってください」

つまりは、お好みでOK、ということでしょうか。
沸かしたお湯にかつお節を入れ、それをコーヒーフィルターへ。風味豊かな「だし」の香りが部屋いっぱいに広がり、にわかにお腹がすいてきます。

「温度は60度を目安に。60度を超えるといい香りがでてきます。水では出ません。
100度くらいでグラグラすると、おいしい香り以外に、どうしても魚臭さが出てきてしまいます。でも、煮すぎたからといって爆発したりしないので(笑)、あまり気にせず、“おいしさ”を信じてあげてください」

「だし」を飲み比べ!

5種類の削り節でとった「だし」を、実際に飲み比べてみます。

食べたときとは、また違った味わいです。

“素材の香りを楽しむのには、あっさりとした「カツオ」や「マグロ」が適している。具だくさんの汁物には、「むろあじ」や「そうだがつお」を。いろいろ入れるとその分、魚臭くはなるが、その分フトコロが深くなり、味噌をドンと入れてもとんがったものが消え、味をひとつにまとめてくれる…。”
「だし」の奥深い世界に、一歩、足を踏み入れた感じです。

個性豊かなそれぞれの「だし」の旨味をじっくりと味わったあと、これらの「だし」に醤油を1滴。すると…?