味に一気に広がりが出て、「うん、おいしい!」と子ども。
お母さんは「ごはんもほしい…」としみじみ。
「カツオは、アンセリン(※)という物質を山のように持っています。だから食べると元気になるんです。抗酸化作用や、血圧を下げる作用も見つかっています。アンセリンは水に溶けますので、だしをとるとその中に溶けています。
夏バテして疲れたときなどに、お椀にかつお節を入れ、お湯(60度以上あればOK)を注ぎ、お醤油を2滴垂らして飲んでみてください。ほんっとに体にしみ渡ります」
※カツオやマグロなど回遊魚の筋肉中に多く含まれる成分
意外と楽しい「削り」の作業
さて、いよいよ実技。かつお節を削ります。
薄く均一に削るのはなかなか難しいようで、エンピツを削ったときの“粉”みたいに、ボソッとなってしまいます。
それでもだんだんに慣れ、「ズズ」という鈍い音から、「シュッシュッ」と軽快な音へと変化。子どもたちも手応えを感じ、おもしろくなってきた様子。
そんな光景を見ていると、「毎日家でやらせてあげようかな…」、などと目論んだりしてしまいます。
気になるのは「節」のお値段ですが、小さいもので、1300円ほどで買えるそうです。
釘が打てそうなほど硬い「節」。“世界で一番硬い食べ物”としてギネスにものっているとか。
おまけ
かつお節の種類から製法、歴史まで、貴重な話の数々を聞くことができ、子どもは子どもなりの楽しみ方ができた、このセミナー。
帰りには、秋山商店さんの「かつお節」のお土産もいただきました。
そしてその後、ぶらり場外市場の散策へ。
鮮魚や干物などの海産物はもちろん、肉や青果、乾物、雑貨店、それに海鮮丼屋や寿司屋をはじめとする様々な飲食店が軒を連ね、まるで街全体が“昭和のショッピングモール”のよう。
観光客や仕事中とおぼしき方々が、入り組んだ狭い路地を頻繁に行き交うため、非常に忙しい雰囲気がありますが、おいしそうなマグロや明太子や練り製品や玉子焼きをぶらぶらと見て歩くだけで、心が躍ります。街じゅうが躍動感とエネルギーで満ちているのは、中身の見えない箱や袋に詰められた食品が整然と並ぶスーパーとは異なり、生きた食材、“本物”の食材で溢れているからかもしれません。
日本の食卓の原点を垣間見ることができ、親子共々いい経験になりました。
海鮮丼もおいしくいただきました(「刺身BAR 河岸頭」さんにて)。
たまには親子でこんなご褒美もあり、ですよね。