ナチュラルな魅力の望月瑠菜さんは『Cafe40』と『ハグ屋』に客演
さらに客演メンバーが続きます。長身スレンダーの望月瑠菜さんは女子校の学食を舞台(本当に学食なんです!)にした『Cafe40 vol.2 「happy skip」』と、えろ漫画家ピクピクン氏の初主演舞台『ハグ屋』に客演。いや、この2作品に出演ってものすごいふり幅じゃないですか?!
まずは『Cafe40 vol.2 「happy skip」』からご紹介。東京にある女子中高の学生食堂で演じられるのは、その学校に込められた学食のおばさん、学生のお父さん、先生、そして女子高校生の想い…。
出演した役者さんはもちろんプロの役者さんなのですが、舞台が本当に学食なので、なんだか今ここで起きていることを目にしているような…。そうそう、上演前には学食で本当に提供されている食事つきでした!
こんな興味深い舞台装置の中で望月さんが演じるのは、ある女子高生。彼女の想いがストーリーの中でも大きなカギを握ります。望月さんってスレンダーで色白で、ものすごく美人さんなんですが、お芝居の中で見ると「普通の女の子」という雰囲気で何の違和感もなくその場に立っていられるんです。これ、結構すごいことでは…。
その思いは、続く『ハグ屋』を拝見した時にさらに強くなりました。こちらの作品は中野の小劇場での公演、そしてコメディタッチ+怒涛のシリアスな展開もあり、のお芝居らしいお芝居です。先ほどの「Cafe40」と比較すると、演劇としてのパッケージングが強くなされている作品だと言えるでしょう。
そんな中でも望月さんは、あり得ないくらいドジだけど、でもすぐそこにいそうなバイトの女子高生を演じてくれます。彼女の存在が、「そんなカフェないよ~!」と大声で突っ込みたくなる喫茶小鳥の存在をリアルにしているというか…。しかもそれが嫌味じゃないのがまたすごい。なんというか、どこにいても純水のようでいられる役者さんなんですよね…。
そうそう、こちらの舞台もすごく楽しくて、最後の展開には「そう来たか!」と思わず声を出しそうになってしまいました。作・演出は劇団ハーベストとも縁が深い錦織純平さん(微熱DANJI)。こちらの客席はほとんどが女性! 場内パンパンの大入り満員で、エンタメとしての演劇、やっぱり波が来ているなぁと感じました。
劇団ハーベスト演出家 中村公平氏が客演組を語る
では、ここでインタビュー。劇団ハーベストの演出を担当する劇団レトロノート主催の中村公平さんに、今回取り上げた客演組の3人、山本さん、加藤さん、望月さんについて語っていただきました。
――まず、劇団ハーベストの皆さん、今年になってかなり客演が増えていますね。演出をされている中村さんは、どう感じていらっしゃいますか?
中村「劇団ハーベストの中だけにいると、演出の僕の考え方に染まってしまうというか…それじゃダメなんですよね。外の環境を知って、僕以外の人の考え方、別の考え方を知って、そしてここに持ち帰ってきて欲しいんです。」
――中村さんの色だけに染まらず、それぞれの場所で経験を積む、ということでしょうか。
中村「そうですね。それに、自分の立ち位置を知って帰ってくる、というところもあると思いますよ。ハーベストの中では“自分は出来るんだ”と思って外に出ても、行った先で演出家さんにかなり言われたりして。そこで、自分を見つめて帰ってくる、という。」
――たしかに、客演を経験したメンバーさんは、その経験を活かしてハーベスト内でも成長しているように感じます。
中村「客演先ですごく厳しい方にしごかれたら、ハーベストに帰ってきても「それじゃ甘くないか?」ってメンバー内で声をかけあったり出来るようになる。(山本)萌花なんか、すごく言うようになりましたね。」