多士済々の劇団ハーベストが送る第8回公演『MIRACLE8』とは?
ここからは、8月5日から9日まで上演される第8回公演『MIRACLE8』について、演出家の中村公平さんに聞いてみましょう。合間には、今回の目玉であるアクション稽古の写真もありますよ!
――では、第8回公演『MIRACLE8』について教えてください。
中村「今回の公演はアクションをやるんですよ。実は、自分たち裏方が言い出したことじゃなくて、メンバー本人たちの希望なんですよね。」
――ええ! そうなんですか? 新機軸を打ち出したなぁと思ったんですが。
中村「そうなんですよ。メンバーがアクションを希望したので、作家さんにアクションの台本を依頼したんです。これまで、劇団ハーベストでは人間ドラマが多かったんですが、作家さんに書いてもらったモノがぶっ飛んだモノで…。今回はドタバタのコメディになりそうです。」
――前回公演の『明日の君とシャララララ』は、客席から嗚咽が聞こえるぐらいの感動作でしたよね。本当に今回は方向転換なんですね。
中村「もう、今回はハートウォーミング要素があんまりないかもしれないですね(笑)。劇団ハーベストにとって、すごく新しいチャレンジになりそうです。」
――演出家としても、これまでとはかなり変えていらっしゃいますか?
中村「これまでは、役者として生っぽさ、本人らしさを残したリアルな芝居をすることを志向してきたと思うんです。今回は、これまででも一番舞台っぽいというか、フィクションっぽいというか。稽古をしながらも、「エネルギーを出せ!」って言いまくってます。」
――これまで稽古や指導を拝見していても、本人たちの素を重視されてきましたよね。そういう意味でも、今回の公演は、かなりこれまでとは変わったように感じます。
中村「ええ、それに今回は、なるべく本人たちの考えてくるアイディアを利用したいと思っているんです。例えば布施(日花梨)ちゃんなら布施ちゃんなりの面白いモノがあるんですよ。本人のアイディアもなるべく取り込んだ舞台にしようと思っています。」
――今回の公演で、中村さんが注目したいメンバーはいらっしゃいますか?
中村「難しいですねぇ。全員、と言えば全員なんですが…。(松永)ミチルは初主演なんです。ダブルキャスト体制だけれど(山本)萌花と一緒にシングルキャストだし。どうなるんでしょうね…。頑張って欲しいですね。」
――松永さんが主演、というのはどのようにして決まったんでしょうか?
中村「劇団内で役を決めていくためのオーディションをしたんです。メンバーは全員学生なんで、練習と練習の合間に学校生活が入ってくるんですよ。劇団としての練習の合間に、どれだけ自主的に動けているか…っていうのも見ています。」
――役に対する適性…という点だけではないんですね。
中村「もちろんそこもありますが、生活の中でどれだけやっているかも見ています。何もしなかったら、明らかに劣ってしまうんですよ。逆に、自分なりに練習したり、映画を観まくったりしている人は、すごく如実にわかります。もちろん、ハーベストのメンバーはみんないろいろと練習しているけど、それでも差が見えてきます。」
――今日、アクション練習を拝見して驚いたのは、川畑さんと宮武さんが中心になっていましたよね。おふたりは前回公演では、本編には出演しない前座組でした。今回川畑さんにアクションリーダーを任せたのは、意図的だったんですか?
中村「いえいえ、そういうわけじゃないんです。(川畑)光瑠が、まさかアクションが得意だとは思わなかったんですよ。稽古をしていく中で、得意じゃない?っていうことがわかって、リーダーに任命したら、もうどんどんアクションを頑張るようになって…。」
――じゃあ、ある意味偶然の産物…みたいなものなんですね。すごい!
中村「メンバーのみんなが今回はアクションをやりたい、って言わなかったら、光瑠も(宮武)佳央も、才能を発揮できなかったかもしれないですね。自分達でやりたいっていうことをやったら、自分達の得意なことを発見したんです。たぶん、まだまだいろんな原石が本人たちの中に残ってるんだと思います。まぁ、自分の中の原石を世に出せる「引き」があるかどうかも、実力のうちですよね。」