子を持つ親にとって、思春期はとっても難しい時期。
女の子はこの時期に初潮を迎える子が多く、肉体的にも精神的にも大きな成長と変化が訪れます。その分、気持ちも不安的になりがちです。
家族として、母親として、「どう接していけばいいのか?」と、戸惑うママは多いでしょう。
異性であるパパとの関わり方も、ママにとっては気になるところだと思います。実際、思春期の女の子が母親と父親に求めることには、違いがあるようです。
女子教育専門家のリリー由梨さんに、『ママ&パパに知ってほしい思春期女子と接するうえで大切なこと』について伺いました。
ママが思春期女子と接するうえで大切なこと3つ
リリー由梨さんは、前回の記事で、女の子の子育てで大切なことは2つあるとおっしゃっていました。それは、『受容』と『共感』です。
思春期の女の子も、ベースには、この『受容』と『共感』が、母親にも父親にもあることが大前提になります。
そのうえで、母親は次の3つのことを意識するといいと言います。
1. 笑顔
女の子は不安を感じやすく、安心感を得たい生き物です。
特に思春期は、オトナの女性へと進化していく途中で、身体も大きく変化し、気持ちのコントロールも今までのようにできません。不安がより大きくなるのです。
そんなとき、母親が笑顔でいてくれると、子どもは安心します。母親の笑顔は、子どもに、なりより安心感を与えてくれるものです。
反対に、自分の気持ちが不安定でどうしようもないのに、大好きな母親が同じように不安な顔をしていたら、子どもたちはより不安を感じることになります。
子どもの不安定な様子に接すると、ママとしては心配や不安になりますが、子どもの前で笑顔でいること、笑顔で接することを忘れないでほしいと思います。なぜなら母親は子どもの太陽ですから。
2. プラスな気持ちになる言葉かけをする
思春期というとても不安定な時期に、母親から自分の存在を否定するような言葉を投げかけられることは、子どもにとってはとんでもない脅威です。
実際、学校の三者面談などで「この子は本当にダメな子なんですよ」「心配で仕方ありません」と母親から常にダメ出しをされたり、責められている子は、どんどん自分に自信がなくなり、自己肯定感が低くなっていきます。
そうなると、肝心なところで実力を発揮できず、大事な発表や部活での試合、そしてテストや受験など、ここ1番の力が発揮できないことに繋がることが少なくないように思います。
「あなたのせいでママがどれだけ我慢していると思っているの」などの言葉も、深く傷つきます。
一方、「うちの子はしっかり者なので、勉強も任せておいて安心なんです」と親から言われている子は、どんどん成績を上げ、希望の大学までの受験勉強に粘り強く取り組むことができ、また本番で落ち着いて実力を発揮し、結果、合格するケースが多いです。
教育現場に長年携わってきて実感していることですが、子どもは、驚くほど『親の言葉通りに』育ちます。
子どもを褒める、認めることは、子どもの心を育むことです。
思春期は多感な時期ですから、よりプラスの言葉を意識することが大切だと感じています。
やったことやできたことに対して「よくできたね」「がんばったね」という、前向きな言葉かけはもちろん、「信頼しているわよ」「●●ちゃんのおかげで安心だわ」「あなたがいてくれてよかった」という存在そのものを肯定するような言葉もかけてほしいと思います。
そうすることで子どもたちは大好きなママの気持ちに答えようと、とてもけなげにがんばります。
おのずと才能も花開いていくでしょう。
3. 「ロールモデル」としての自覚を持つ
子どもから大人へと向かっていく途中の思春期の女の子にとって、母親は最も身近な『オトナの』女性。つまり、ロールモデルなのです。
なので、母親としては、ロールモデルとしての自覚を持ち、思春期の女の子が「こういうオトナになりたい」と思えるような女性でいることも大切です。
では、今の思春期の女の子たちに「こういうオトナになりたい」と思われる母親とはどういう母親かというと、それは「自分の人生を生きて、いきいきと輝いているママ」です。
たとえば、仕事や趣味など、自分の能力や魅力を活かせる場を持っていたり、自分磨きをしているママは、年頃の女の子たちにはとても魅力的に映ると思います。「うちのママ、イケてるな」と思うのではないでしょうか。
そうすると、オトナになることに戸惑いや不安を感じることが少なくなるでしょう。そして自然に希望を抱きます。
不平不満、愚痴が多いと、女の子は大人になることに不安を感じます。また、寂しそうにしていたり、悲しそうにしていると、「ママ、かわいそう…」と思います。
「オトナになるって、不平不満や愚痴が多くなるってことなんだ…」
「オトナになるって、辛いことなんだ…」
と娘に思わせないよう、ママもぜひ自分の人生を輝かせてほしいと思います。