「島で家を建てている久太郎が、片手に持っていた南国の葉っぱを下ろしたときに、もう片方の手で抱えられていたあなごがビョ~ンって飛び出したんです。
しかも、けっこう引きの画だったから、少し離れたところで見ていた私たちは“うわっ、あなごいま飛びましたよね! どうしましょう?”ってなって(笑)。
北村さんが葉っぱを下ろすときに少し前傾の姿勢になったから、自分も降りていいと思ったんでしょうね。でも、結局は岩と岩の隙間に入っていて、じっとしてました。」
あなごも『猫侍』の撮影で女優としてすごく成長
まあ、そんな例外はあったとしても、あなごが北村に絶大な信頼を寄せているのは確か。久しぶり再会したときもちゃんと覚えていたのだろうか?
「覚えてましたね。ただ、猫は犬みたいに再会を喜んでにニャ~!って泣いたりはしないんですよ。
北村さんのことは大好きなんですけど、逆に彼の気持ちを弄ぶかのように“あなたは私のこと好きなんでしょ”というツンデレな態度をするから、見ていて笑っちゃうんですよね(笑)」
そのパワーバランスは久太郎と玉之丞そのままだが、その唯一無二の関係性が『猫侍』という異色のシリーズを成立させたといっても過言ではない。
「猫はなかなか言うことを聞いてくれないから、海外の映画でも猫が絡む映画は意外と少ないんですよ。
それに、あなごも『猫侍』の撮影で女優としてすごく成長したと思います。
それこそ、最初のドラマで主演に抜擢されたときは、脱走を何回もしている子でしたし、じっとしていることもできなかったから、あなごに何ができるの?って感じで。
だから、最初のドラマと映画ではあなごと若いさくらと年配のさくらの3匹体制で臨んだんです」
そんなあなごがなぜ女優らしい行動をとれるようにったのだろうか?