刀の手入れを行う「刀剣修理室」

次の部屋へ移動します。廊下を歩くと、建物の歴史を感じます。特に床。

次は、刀剣の手入れを行う「刀剣修理室」です。

壁が煤で汚れていますが、これは研いだ刀の表面を確認する際に、余計な光が乱反射しないようにあえてそうしているとのことです。

小野客員研究員は、長年刀剣の手入れを行っているプロフェッショナル。

実際に刀剣の研ぎ方を見せていただきました。

右足で砥石を固定することで、両手が自由になり、細かい研ぎが行えるとのこと。

匠の技を感じます。

神庭特任研究員のお話によると、刀は研ぎを繰り返すほど目減りしてしまうため、錆が出てしまった部分だけを研ぐのが基本。

これを「研ぎ継ぎ」といいます。

それまでの刀の状態と同じように研ぐ必要があるため、研ぎ継ぎは非常に難しい技術なんだそうです。

こちらは砥石。すべて天然石です。名前は産地を表しているとのこと。

荒い目のものから細かいものまで、段階を追って研ぎ分けていきます。

最近では、天然石の需要が減っているため、市場に出回ることも少なくなっているそうです。

刀剣の価値は、その「研ぎ」の技術があってこそ。地鉄(じがね)の照りや焼入れ、作者の銘など、鑑賞ポイントはいろいろありますが、きれいに研がれていることが重要。

そう考えると、「研ぎ」も合わせて評価されるべきだと、神庭特任研究員は話してくれました。

刃のついていない刀身を持たせていただきました。思ったよりも重いものです。

こういう体験ができるのも、バックヤードツアーならではですね。