ミイラも撮影できる世界に1台の大型CTスキャナ
最後は「X線CT撮影室」を訪問。
ここでは、世界に1台しかないという大型CTスキャナがあります。
荒木調査分析室室長によると、ここが完成したのが1年5ヶ月前。
文化財に余計な振動などを与えないよう、段差をなくし、リフトなども振動がないように設計されてるそうです。
こちらが垂直型。回転直径2.5m、高さ2m50cmまでのものが撮影できます。
台座は大きさによって換えることができます。
こちらは、病院などで見かける水平型のCTスキャナです。
カメラが台座の周りを回転して撮影するため、文化財は動かさず安全に行えます。
ミイラなどの撮影はこれで行いました。
実は、博物館用の水平型CTスキャナは世界1台だけ! ということで、世界の博物館から撮影依頼があるそうです。
ちなみに、ミイラ1体を撮影するのに8〜10時間かかるとのこと。
かなりじっくり撮影するのですね。
もう1台、小さなものを細かく撮影するためのCTスキャナもあります。
用途に合わせて使い分けているとのこと。
このようなシステムがあるため、文化財を破壊せずに中身を調査することができるのです。
こちらは、壁面一面が撮影できるシステム。
絵画や大型立体作品などの撮影に使われています。
大型CTスキャンシステムが導入される前は、ここでミイラなどの撮影も行っていたそうです。
実際にX線撮影されたミイラの画像を見せていただきました。
ここで撮影された画像をもとに、東洋館で上映されているVRシアターが製作されています。
このようなシステムがあるからこそ、貴重な文化財を壊さずに調査することができるのです。