インタビュー2 シュリーラーム・ラーガヴァン監督(『復讐の街』『エージェント・ヴィノッド』 )
お次にお届けするのは、初の外国人映画監督ご本人へのインタビュー!IFFJ2015のために来日したラーガヴァン監督にお話をうかがいました。
IFFJ2015で公開される一人の男の哀しい復讐劇を描いた「復讐の街」や、スパイアクション大作「エージェント・ヴィノッド 最強のスパイ」を手掛けたベテラン監督です。
来日直後のお忙しい中、真摯にインタビューに答えてくださる姿は、まるで哲学者や文学者のよう…。日本人にとってなじみ深い名前も飛び出す、貴重なインタビューになりました。
この4~5年で様々なテーマの作品が増えている
――はじめまして!ようこそ日本にいらっしゃいました。
ラーガヴァン「はじめまして。初めて日本に来て、今とても興奮しています。」
――でははじめに、「復讐の街」の映画のテーマを教えてください。
ラーガヴァン「この映画のテーマは“復讐”です。強盗に妻子を殺された男性が、復讐していきます。最終的には、復讐は決して良いことではない、というテーマに移り変わっていきます。」
――この作品は、いわゆる「歌って踊る」インド映画ではないですよね。こういったダンスのないタイプの映画は、インドでも増えているんでしょうか?
ラーガヴァン「そうですね、この4~5年で徐々にいろいろなテーマの映画が増え、ダンスの少ない映画も増えていると思います。
でも、ダンスや歌の入る映画が今でもインドでは主流ですよ。大作は、ダンスと歌が非常に重要な要素を占めます。ダンスと歌は私たちインド人の血の中に流れていますからね。この作品も、最後にダンスが入っています。物語のメインストリームではなく、プロモーションのためという要因が大きいですが。」
――ラーガヴァン監督は、日本の観客にインド映画のどのような魅力を伝えたいですか?
ラーガヴァン「そうですね…、逆に質問したいことがあります。これだけ多くの方に観に来てもらって、非常に光栄なのですが、日本人にとって、インド映画は魅力的なのでしょうか?」
――ええと…、自分自身は歌って踊るインド映画が大好きなんです。でも、日本人の中にはそういう映画にあまりなじみのない方も多いと思います。そういう方にもインド映画の魅力を伝えたい、というのが今回の記事の趣旨なんです。