立石:比べるってことは絶対にやらないほうがいいです。
手先の器用さとか発達って本当に全員違うものですから、スプーンがうまく使える子が他のことも全て優れているかっていうと絶対そうではないんですよ。
だから「昨日はスプーンをちょっとの時間しか使えなかったのに、今日は長い時間使えたね」って言ってあげれば、進歩しているし、自分としても実感がありますよね。
それを他の子と比べていたら追いつかないし、一生比較することになってしまう。
小学校に上がったら「あの子はテストで何点だった」とか「○○ちゃんはどこの学校に合格した」とか。
そうやってずっと比べていたら親だって永遠に満足できませんし、子どもだって「親から認められていない」って気持ちの始まりになります。
同じ親から生まれた兄弟だって違うのですから、比較するっていうのは絶対にしないほうがいいです。
祖父母や周囲からの言葉は聞き流すことが大事!
——第3者から何か言われたときは、無視していればいいんでしょうか。
立石:とにかく無視する、聞き流せばいいんです。
食事を食べる子食べない子って言っても人それぞれ胃の大きさも違えば、嗜好も違う。
だけど前と比べたら確実に食べる量も種類も増えているはずだし、「昔は母乳しか飲んでなかったのに今は固形物を食べられるようになってる!」と思えばすごい成長ですよね。
——確かにそれはすごい成長ですよね(笑)
立石:学校の点数だって同じで、40点取った子が60点、60点から80点って取れるようになったら、すごく頑張っているわけですよね。
それを100点を取っている子と比べると、うちの子はダメだって評価にしかならないですし、もうやる気が失せてしまいます。
絶対、一週間前、昨日と比べても絶対に何か変化があるはずなんです。
でも他の子と比較すると見えなくなってしまいますし、親の考え方はいつしか子どもの考え方になってしまいます。「僕は○○君に比べるとあれができない、これができない」と言う風に…。ですから、比較するのは早めにやめて、その子自身の成長を見てあげましょう。
——昨日は全部食べたのに今日は残した、とか成長が後退しているように感じたときはどうすればいいのでしょうか。
立石:大人だって食欲がある日やない日があるように、人の成長ってずっと右肩上がりではなくて、一進一退したり、時には踊り場があったり、後退することもあるけど、遠くから見ると成長しているものです。
体調にもすごく左右されるし、いちいち「どうしたの?」とか声をかける必要はありません。
一喜一憂しないことが大事かなと思います。