すがりつく権利

“別れるときもかっこよく”が理想ですが、現実は別。別れを切り出された方は、素直に「わかった」とは言ませんよね。中には、別れたくないのに「あなたがそれで幸せになるなら」なんて、強がる人もいるようですが、失恋の回復に時間がかかるので、別れ際に強がる必要はないと思います。

多くの時間を共有したのだから、「絶対に別れたくない!」と相手にすがりつく権利があるはずです。ですから、相手に面倒くさがられようが、泣きわめいて「別れたくない」とすがりつくのはアリです。

 筆者の友人B君が教えてくれた、過去の恋愛エピソードがとても印象的。当時付き合っていた彼女から、別れ話をされたときに、泣きながら「どうしても別れたくない」と訴えたことがあると。しかも、土下座までしたそう。筆者が知るB君は、超オレ様。そんな男が、泣いて土下座してすがりついたなんて!

その彼女、彼にとっては完璧な女性だったと言います。結局、土下座までしても、彼女の気持は変わらず、B君は「あぁ、もう終わったんだな」と納得したそうです。別れるときの納得感って、かなり大切。

別れには作法がある

銀座のクラブのホステスC美さんは、別れるときには必ず「ありがとう」と、付き合えたことを感謝する手紙を恋人に送るそう。どんな別れ方をしても、必ず手紙を書く彼女は、昔の恋人たちと、必ずいいお友達になれると言います。

 恋人として共有した時間はとても貴重なはず。それなのに、喧嘩や別れ話では、相手を傷つけ、泥沼な状況を作ってしまいます。別れをぐちゃぐちゃにすると、楽しかった思い出が台無しになってしまうのに……。

 C美さんのように、相手に感謝して、いい関係を築けるように離れるというのは、別れの作法のひとつ。

先程ご紹介したB君は、彼女にすがったわけですが、すがりついてくる相手が、別れに納得できるまで、とことん付き合ってあげるのも、別れの作法。すがりついてきた相手を足蹴にするのは、ストーカー化する可能性もあるのでNGです。

喧嘩も別れ話も、作法に則ることで、お互いに、痛みが少なく済みます。パートナーとの非常時には、相手にとって「酷い女」「酷い男」になっていないか、意識してみてはいかがでしょうか? 非常時に見せる姿が、あなたの本性です!

大学院卒業後、銀座のクラブホステスになるという異色の経歴の持ち主。「銀ホスライター」として、老舗クラブで磨いたコミュニケーション術&営業テクニックを、悩めるビジネスパーソンに向けて紹介。恋愛・結婚・出産など、女性にとって身近な問題を研究し「今よりちょっとだけ人生を豊かにする方法」を提案しています。