過敏性腸症候群の予防法
続いて、過敏性腸症候群の予防法を教えていただきました。
古賀「予防法としては、まず、自分の下痢がストレスや身体の疲れによって生じていることを自覚し、ストレス予防を心がけることです。
働き方改革が声高に言われる中で、生産性の向上が求められ、仕事による体の疲れやストレスはどうしても蓄積しやすくなってしまいます。そうならないように、できれば毎日ストレスや身体の疲れを取り除く工夫をすることが必要です。働き方改革で残業時間が減り、退社後自宅で過ごす時間が増えた方もいると思います」
少なくとも6時間睡眠を
古賀「自宅で過ごす時間は、十分な睡眠時間をとることにあてましょう。理想は1日7時間眠ることですが、なかなかそこまでの時間は取れないかもしれません。ひとつの目標として、その日のうちに就寝すること。これをぜひ守ってください。するとたいていの人は少なくとも6時間の睡眠をとることができると思います」
1日30分くらいは楽しめる時間を設ける
古賀「ただ寝るだけではストレスを翌日に持ち越してしまいます。ストレスをためないためには、短い時間でも自分が楽しめる時間を積極的に設けてください。1日30分くらいで十分です」
過敏性腸症候群の症状は、ストレスや身体の疲れによって起きていることを自覚することがポイント。
自覚のある人は、日々の生活の中で、ストレスケアを積極的に行っていきたいですね。
【取材協力】古賀 良彦先生
精神科医、慶応義塾大学医学部卒。杏林大学名誉教授、特定非営利法人日本ブレインヘルス協会理事長。
うつ病や睡眠障害などの治療研究のエキスパート。職場のメンタルヘルス不調についても造詣が深い。さらに、香りや食品の健康増進効果について、脳波分析や脳機能画像を用いて積極的に研究。