嬉しい時、幸せな時にたくさん分泌されることで知られているセロトニン。このセロトニンがストレス解消に非常に効果的だということは、最近ネットのあちこちで目にします。

このセロトニン。「幸せホルモン」とも呼ばれていますが、その名の通り、身体に与える効果はストレス改善効果だけではなく、未病対策、不定愁訴対策にも非常に幸せな効果を発揮してくれることがわかってきました。

そこで今回は、女性の病気ともいわれる「頭痛」とセロトニンの関係をご紹介しましょう。

頭痛体質の人は、セロトニン神経が弱い?

「頭痛体質」という言葉を聞いたことがありませんか?

頭痛体質とは、脳が興奮しやすく、些細なことで痛みを感じやすい体質のことで、この体質の人は、日常的に頭痛に悩まされやすいのです。

頭痛体質の人の多くは、生まれつき「セロトニン神経」の働きが悪い人が多くことがわかっていますが、この体質を親から受け継いていることの多いので、「頭痛は遺伝する」ともいわれています。

セロトニン神経とは、セロトニンという脳内物質を分泌して、脳全体に様々な情報を送っている重要な神経細胞です。左脳と右脳の情報を伝達し合う脳幹の真ん中に位置し、心と身体のコントロールにも大きな影響を与えています。

また、昼間のセロトニンは、夕方になると睡眠を司るメラトニンに変換されますので、健康の基礎ともいえる睡眠にも大きく影響を及ぼします。だから、頭痛はもとより、健康のためにもセロトニン神経の強化は急務なのです。

 セロトニン神経はどんな時に活躍するの?

そこで、セロトニン神経強化のためにも、セロトニンの働きをご紹介しましょう。

  1. 睡眠から目覚めたときに、大脳に働きかけて、身体じゅうに目覚めたことを知らせる。
     
  2. やる気・興奮、不安といった、プラスの感情とマイナスの感情のバランスを調整する。
     
  3. 痛みのコントロール。
     
  4. 自律神経への働きかけ、緊張による血管の伸縮や血圧、代謝を調整する。
     
  5. 抗重力筋に緊張を与える(身体の姿勢、表情、まぶたのコントロール)。寝起きや気力が低下した時の身体の動きに影響します。

    (「抗重力筋」については、記事「寝起きの“気分の悪さ”はなぜ? 原因と対処法まとめ」で詳しく解説しています)

 つまり、セロトニン神経の働きが低下すると、目覚めが悪く、心が不安定で、肩こりや腰痛に悩まされやすく、冷え性にもなりやすく、おまけに痛みにも敏感なので、これらの症状にも一層敏感になってしまいます。寝起きも悪く朝から気分最悪。こんなふうに慢性的な不定愁訴状態が慢性的になります。

(不定愁訴:医学的な原因解明はできないけど「なんだか気分が悪い」と感じる身体の不調の総称)

さらに睡眠不足、便秘体質、太りやすい体質、化粧乗りが悪く、お肌も荒れやすいetc……。セロトニン神経の働きが悪いと、女性にとっては、年齢で片づけられない悲しいことばかり引き起こしてしまうのです。