子どもを持つと誰でも「いいママ」になりたいと思いますよね。

そのために育児書を読み漁り、ネットで情報を集め、先輩ママの話を聞き、少しでも理想的なママになろうと努力します。それは子どもを持ったママとしてとても自然なことです。

でも、実は育児書通りの「いいママ」を演じようとすることが、子どもにとってはマイナスになることも多いのです。

今日は、『グローバル社会に生きる子どものための-6歳までに身に付けさせたい-しつけと習慣』の著者で、日本と欧米の優れた点を取り入れたしつけを提唱している平川裕貴がその理由についてお話します。

「いいママ症候群」とは

「叱らない育児」「褒めて育てる」「言ってはいけないNGワード」など巷に溢れる情報の、いいと言われることやいけないと言われることを、あまりにも意識し過ぎて、表面的な「いいママ」を演じることに必死になってしまっているママが多いのではないかと思います。

子どもに好かれる「いいママ」にならなければという「いいママ症候群」です。

子どもに対していつも穏やかにニコニコと接する明るいママ。

子どもが、危ないことや悪いこと、人に迷惑をかけるようなことや間違ったことをしても、叱ったりせずに穏やかに諭す優しいママ。そんな「いいママ」を一生懸命演じていませんか?

特に初めての子どもの場合、育児情報通りにすることに必死になってしまいがちです。
はたから見ていると、子どもに嫌われまいとして、まるで腫れ物にでも触っているように見えます。 

幼児期の「いいママ症候群」がなぜ危険?

「いいママ症候群」のママ達がやってしまっていることをわかりやすくお話しましょう。

例えば新婚時代、夫は何を作っても「おいしい」と食べてくれ、ニコニコと穏やかに「愛してるよ」とやさしく声をかけてくれる。

本当は「まずいな」と思うものや明らかに「失敗だろ」と思うものもあるのだけど、結婚したばかりだし「まあいいや」と、我慢して食べている。

ところが、何年かして新婚気分が抜けてくると、「こんなまずいもん食えるか!」と言い出す。まったく同じものを同じように作っているのに… 妻にしてみれば、「だって、おいしいって言って食べていたじゃない!」って裏切られたような気持になりますよね。

さらに帰ってきてもにこりともしないで、文句ばかり言い出されたら、「夫はもう自分を愛していない」「自分は必要とされなくなっている」と感じるのではないでしょうか?

実はそれと同じことを、ママも子どもに対してしてしまう可能性があるのです。