乳幼児期に、ニコニコと何をしても叱ることもなく穏やかに接し、「かわいい、かわいい」と言ってハグしてくれていたママ。
ところが、小さい頃はあんなにかわいかった娘や息子は身体が大きくなり、親に口答えもするようになります。もう、「ただただかわいい!」なんて思えなくなってしまいます。
しかも小学校に行くと成績という形で子どもの評価が示されます。親の望むような結果がでることはまずありません。
それでつい「どうしてこんなこともわからないの?!」「授業ちゃんと聞いてるの?!」「○○君はよくできるのにあなたの成績はどうしてこんなに悪いの?!」などと口うるさく叱責するママに変わってしまうのです。
子どもは、「自分はもうママから愛されていない」と、親から突き放されたように感じても無理はありませんよね。
なぜ幼児期に叱ることも大切なのか?
幼児教育者は幼児期に的を絞り、提言やアドバイスを行います。
幼児期にだけ接していればいいのなら、自分は物わかりのいい優しい人だと思われるのもいいでしょう。叱らなくていいなら、その方がずっと楽。「あとは野となれ山となれ」です。
でも、親は違いますよね。親は0歳から少なくとも18歳になるまで、子どもと関わっていかなければなりません。幼児期のことだけ考えればいいというわけにはいかないのです。
ですから、幼児期はもちろん、少年期や思春期、さらに社会に出てからのことも頭においてしつけを考えることが大切です。
小学校や中学校、さらに大人になって就職すれば、注意されたり叱られることなど頻繁にあることです。理不尽に怒鳴られることさえあります。
幼児期に叱られることのない子は、叱られることに対する免疫や抵抗力が育ちません。ちょっとしたことですぐに落ち込んでしまう精神力の弱い子になってしまうのです。
叱るというのは、とてもエネルギーのいることですから、本当に相手のことを思っていないと叱れません。すなわち、相手に関心があるという証拠でもあるのです。ですから子どもは親の気を引くためにわざと悪いことをしたりしますよね。
子どもにとって一番辛いのは、悪いことをしても叱ってもらえない、無視されることなのです。