2.会場の中で自分しか行ったことがないのでは? という場所
佐藤さん:カザフスタン「バイコヌール」
遊牧民がいて、モスクがあって、牧歌的なところです。実はここ、ロシアの飛び地領で、旧ソ連時代の様々な遺物が残っています。ロシア本国では撤去されてしまったレーニン像だったり、核弾頭(もちろん、危険がないように処理済み)だったり。時間が止まっているような感じですね。レトロチックで可愛いです。
バイコヌールにはロケットの打ち上げ基地があるんです。『奇界遺産2』の表紙にその写真を使いたくて行きました。小さな街ですが、ロケットの打ち上げ前後は人でいっぱいになりますよ。僕が行ったときは日本人初のISS(国際宇宙ステーション )船長になった若田光一さんたちが宇宙へ向かう時でした。
日本でも種子島でロケットの打ち上げは見られますが、300メートルくらい離れないといけない。アメリカだと1キロくらい距離を取ります。でも、ここはロケットまでの距離が150メートルくらい。風圧とか、音とか、すごいんです。ソ連らしいというか、ムチャクチャというか(笑) でもそんないい加減さが好きです。
会場の中でバイコヌールに行ったことがある人…0人
歩さん:アフリカ ソマリランド(ソマリアからの独立を主張している国)
マンガ家のやくみつるさんと一緒に行きました。新宿のライブハウスに熟女コンテストを見に行ったら、そこに審査員としてやくさんがいたんです。いろいろ旅をしている話をしたら「二週間後にソマリランドに行くんだけど、ガイドとしてこない?」って言われて……。ガイドの知識なんて全然ないんですが、気づいたら行ってましたね。
でも、道のりはすごく大変でした。何度も乗り換えがあるし、飛行機はボロボロでシートベルトも壊れている。ソマリランドは“アフリカの隠れ安全地帯”とも言われているんですが、ソマリア人は短気なんです。飛行機の中でもいきなり殴り合いが始まって、それがどんどん広がって……。立ち上がって殴ったり、蹴ったり。死者がでるのではと思いました。ただでさえ揺れる狭い機内で、ひたすら「早く着かないかな」と願っていました。
ソマリランドはインフレがすごくて、缶ジュースを買うのにもすごい量の札束が必要でした。何億円も持ち歩いている感じですね。さらに、観光客はボディーガードもつけないといけません。それなのに、海も汚いし、特に見るものもないし、何しにきたの? って感じでした(笑)
会場の中でソマリランドに行ったことがある人…0人
羽鳥さん:アメリカ ユタ州・ソルトレイクシティ「ケント・デリカットさんの家」
「ケント・ギルバートさんですか?」と尋ね、ケント・デリカットさんが 『違うよー!“ケント”違い(見当違い)だよー!』というギャグをいきなりふったら対応できるのか? を検証するためにアメリカへ。事前にメールなどを送ったものの返事はなく、アポ無し突撃。家まで行き、娘さんには会えたものの結局ご本人には会えず。
会場の中でケント・デリカットさんの家に行ったことがある人…0人
3.マニアが行くならここ! おススメ旅行先
佐藤さん: パプアニューギニア
『マッドメン』作者の諸星大二郎先生と一緒に行きました。諸星先生は、あの宮崎駿監督や、庵野秀明さんも尊敬している漫画家です。『マッドメン』はパプアニューギニアの呪いと現代文明について描いた作品なのですが、先生はまだ行ったことがなかったので。
セピックという仮面文化のあるところです。ちょっと危ないところもありました。弓矢のデモンストレーションをしてもらって、「最後に人を撃ったのは?」って聞いたんです。まぁ、30年くらいまえかな? と思いつつ。そしたら『4年前だ』って言われてびっくりしましたね。『4年前村長選があって、そこで撃ち合った。俺は全部よけた』とか言ってました。
元々この部族は弱かったんです。敵の襲撃を受けて逃げる時に泥の川で転んでしまった。そこで白い泥がついた姿を敵は精霊だと思って逃げ帰ったそうです。マッドメンの“マッド”は“泥”のマッドなんです。
原作も持って行ったのですが、漫画というか紙に描く文化がないので、とても喜ばれましたね。『これは俺たちにそっくりだ!』って。
歩さん:台湾(歩さんは現在台湾在住)
人が温かいですね。なんでこんなに優しいの? って思います。食べ物も安くておいしいし、温泉もありますし、最高です。でも、台湾の人ってなぜか鼻毛でてるんですよ(笑)。美男美女も! 体毛とかも気にしないし、ほくろの毛も抜くと運気が下がるって。
あとは惚れやすく冷めやすいですね。アメリカよりも離婚率は高いそうです。SNSにラブラブ写真を載せて「彼(彼女)は自分のもの」ってアピールしてます。浮気防止ですね。でも、台北とかは狭いので浮気はすぐバレます。『○○が△△と腕組んでるの見たよ!』とか、SNSであっという間に広まって……。女性が強いので男性がボコボコにされます。それが夕方にはニュースになったり。「皆さんも浮気には気を付けましょう」みたいな(笑)。
ファッションはビーサンにサンダルとかゆるいです。男性が謎の半分刈り上げにしていたり。近いのに不思議なところが多いのも魅力です。
羽鳥さん:バングラデシュ チッタゴン
船の墓場とも言われる船舶解体場がありますが、見どころは特にないです。でも、人がいいんですよね。市場とか行くと「俺を撮ってくれー!」ってアピールしてきて、いい写真が撮れます。