子どもに健康でいてほしいというのは、どの親も望む共通の願いですね。
しっかり食べて元気になってもらいたいと思います。でも、体格がいいのは歓迎ですが、肥満となると問題ですよね。
実は日本では、この3~40年の間に、子どもの肥満率が3倍にもなっています。
今日は『グローバル社会に生きる子どものための-6歳までに身に付けさせたい-しつけと習慣』の著者で、日本と欧米の優れた点を取り入れたしつけを提唱している平川裕貴が、子どもの肥満とアメリカで研究された予防策についてお話します。
なぜ肥満が問題なの?
肥満が問題視されるのはなぜなのでしょうか?
今問題となっているのは、本来大人になって発症する生活習慣病が子どもに増えていることす。その原因が、食生活や運動不足などから起こる肥満とされているのです。
子ども時代に不規則な食事やカロリー過多で作られた肥満体質は、大人になってもほとんど変わらず、肥満や過体重を引き起こすと言われています。
そして、この肥満が高血圧や動脈硬化、糖尿病や心臓病などを引き起こすのです。最近の研究では、10歳の時の体格指数が高い(肥満度が高い)と、血管病で死亡するリスクも高いと言われていて、このままでは、日本人の平均寿命は10年以上短くなるかもしれないとまで危惧されているのです。
肥満が増えた原因
今は、ハンバーグやピザやシチューなど洋風のメニューが増え食生活は欧米化しています。水やお茶よりもどうしても甘いドリンク類などを飲んでしまいますね。根菜の煮物や魚が中心だった昔の食事に比べると、かなりカロリー過多になっています。
また、共働きが増え、常に忙しく追いまくられるような生活になって、朝食も抜いてしまったり、かき込むように食べてしまいがち。生活全体が夜型になり、食事の間隔もバラバラになったり、寝る前に食べてしまったり、生活リズムが崩れていることも原因としてあげられます。
しかも、今では子どもが自由に走り回ったり、身体を動かして遊べる場所や時間がなくなり、子どもは幼児期から慢性的に運動不足になっています。
そのため、脂肪細胞が増え、いわゆるメタボリックシンドロームの引き金になってしまうのです。