子どもの得意を伸ばしたいならとにかく「否定しない」

だからこそ「見守る子育て」が必要なのですが、頭のいい子の親がやっている「認める」「見守る」「待つ」を実践するには、「否定しない」「与えすぎない」「あせらない」の3つがポイント。

ひとつめの「否定しない」は、「子どもが熱中していることを発見したら、とことん付き合って子どもの好きとやる気を伸ばす。これによって子どもの得意はどんどん伸びる」と小川さんはいいます。

しかしほめるのが苦手な親御さんの中には、せっかく子どもがやったことも「そんなの当たり前」で済ませてしまうケースも多いそう。例えば子どもが「宿題終わったよ」と報告してきても、「そんなの当たり前」で済ませてはいませんか?

そんな時は「宿題お疲れさま。えらかったね」と声をかけてあげる。「当たり前」を当たり前で終わらせず、取り組んだ事実を褒めることで、親にとっての「当たり前」のことを、子ども自身もきちんとできるようになるのです。

「与えすぎない」ことで子どもは自由に考えられる

さらに「見守る子育て」を大きく阻むのは「与えすぎる」こと。例えば放課後や週末を習い事で埋め尽くすことは、子育ての意識が高い親がやりがち。「与えすぎない」ことが重要なのです。

小川さん曰く、子どもの体験したことが身につくときの様子は、親からみれば「ボーっとしている状態」なのだそう。ぼんやりと「今日の英語のレッスンは面白かったな」と思い返すときこそ、体験を吸収する大切な時間。

逆に忙しすぎて考える暇がないと、ただ体験や習い事をこなしているだけになります。

子どもの時間の中にフリータイムが多ければ多いほど、子どもは自由に考え巡らせることができるのです。

またたくさんの習い事や塾はお金がかかりますが、本書の中で小川さんは「それよりも大切なのは『親の関わり』」と強調しています。計算力は親子で数遊びをするだけで十分に育つし、読解力は親子の日常会話でも育つのです。

子どもが失敗しても、親は「あせらない」で大丈夫

本書の中で小川さんは近年の親御さんについて「みなさんなぜだかとてもあせっている」と語ります。

「否定しない」「与えすぎない」ことの重要さを分かっていても、あせって不安になる。その結果「それじゃダメだよ」と否定し、教育に良さそうなものを与えてしまう。これが現在の子育ての傾向だそうです。なぜ今の時代、みんなあせってしまうのでしょうか?

その理由について本書では「インターネットに『子育てにいいもの』の情報があふれています。

そうした環境の中で『子育てには正解があるはずだ』と思い込まされ、自分だけがその正解を知らないことで、子どもに損をさせるのは嫌だという思考になってしまう」と、小川さんは推測します。

そしてその根っこにあるのは「子どもには失敗させたくない」という考え方です。

しかし、小さいころから親の先回りによって失敗を回避してきた子は、ちょっとした挫折ですぐにあきらめてしまう傾向にあるそう。うまくいかなかった経験は、次のやり方を考えるチャンス。重要なのは「あせらない」ことなのです。

さらに最近は日本の教育に根拠のない不信感がまん延し、やみくもに塾に通わせる親御さんはとても増えているそう。

しかし小川さんは「冷静に現実を見れば、日本の義務教育をきちんと受けていれば、決して世界に淘汰されない」と安心させてくれます。教科書ベースの勉強でも、小中学校の教育レベルとしては、まったく心配はいらないそうです。

本書は、自分の子育てに自信がない人や、頑張って勉強させているのに子どもの成績が伸び悩んでいる人などにおすすめ。子育ての見えない不安を解消するヒントとなると思います。