スカモルツァ・ビアンコ
イタリアには、カチョカバロと呼ばれるチーズがある。ひょうたん型に整形したものに、紐を結び、ぶらさげて熟成させたのがカチョカバロだ。完成するまでに手間がかかるため、高額でなかなか手が出ない。
オホーツク海に面した興部町にあるアドナイでは、カチョカバロを小さくしたような「スカモルツァ・ビアンコ」を製品化している。お手頃価格なので、購入しやすいのが嬉しい。
やや厚めにカットしたものをテフロン加工のフライパンで焼き、ステーキにして食べるのが一般的だが、今野さんによればハンバーグにのせてもおいしいという。
「ドミグラスソースをかけてもいいし、チーズの塩分だけで食べてもおいしいんです」
ミモレット
白いチーズが続いたので、暖色系の色合いのミモレットを推薦してもらった。
「ミモレットは、フランス語で『半分柔らかい』という意味があります。輸入もののミモレットは1年以上熟成させたものが多いのですが、ニセコチーズ工房(ニセコ町)の『二世古ミモレット』は3~4か月熟成なので、その言葉どおりの柔らかさで、お子様からご年配まで爽やかな味わいを愉しめます。
カットしたものをサラダに入れたり、サンドイッチに使ってください。オレンジ色のこのチーズは、視覚的に暖まれると思います」
シマフクロウ
根室にあるチーズ工房チカプでは、「シマフクロウ」と命名したハードチーズを作っている。
根室は野鳥が多いことから、アイヌ語で「鳥」を意味するチカプを工房の名に頂戴した。
「夏に放牧した牛の乳で作ったチーズを半年間熟成させたのがシマフクロウです。うちには1月頃届きます。手元になくなったら売り切れ。
そのままでもいいし、薄く切ったものをグラタンにのせて焼いてください。放牧全盛期の牛乳なので、草に含まれるβカロテンがチーズに反映され、黄色味を帯びているのが特徴です」