とくに人気が高いと言われている「少女の祈り」の続編「少女の祈り3(『2012』」に収録)」の歌詞は、メタル色の強いサウンドのわりに「最初に死のうとしたのは 女 (14)になった年の10月」「夜が好き 汚れを隠してくれる」など、まさに『小悪魔ageha』のキャッチコピーのような内容で、他の楽曲の歌詞も切なさを全面に押し出した悲恋をテーマにしているものが多く、もしかしたらABCはage嬢たちにとって“男版・西野カナ”といえる存在なのかもしれません。

■『2012』に込めたyasuのメッセージ

メジャーデビューから10年以上経ってなお、いままでのファン層をつかんだまま、新しいファンも取得するという現在の音楽シーンでは珍しいタイプのアーティストです。その理由はyasu自身の活動のブレなさがあるからだと思います。

小説と連動させたJanne Da Arcの「ANOTHER STORY」や、'09年に発表されたABCの2ndアルバム「Q.E.D.」も架空の殺人事件「ブラックマリア事件」と連動した内容になっています。「物語」にこだわりを持っているように感じらる彼の新作にも、もちろんそんな「物語」があります。

ブックレットには歌詞以外にも、童話のようなイラストと、原発や震災を連想させるストーリーが綴られています。ちなみに本作のキャッチコピーは「この世に生まれたすべての人間には生きる“権利”と、そして生きる“義務”がある」。

2012年の今、ヴィジュアル系にもage嬢にも興味が無い人でも、一人でも多くの人にyasuの紡ぐ「物語」が伝わるといいな、と思います。

【関連サイト】
Acid Black Cherry-チケットぴあ
Acid Black Cherry公式サイト
Acid Black Cherry公式ブログ
最新作『2012』に込めたyasu自身のメッセージ